店頭市場ピックアップ

デスクトップパソコンの販売動向 夏商戦はNEC、富士通が善戦

2003/07/21 16:51

週刊BCN 2003年07月21日vol.999掲載

 夏商戦「緒戦」のデスクトップパソコン市場は、ノートパソコンに食われる形で苦戦が予想されたが、比較的順調に販売台数を伸ばしている。BCNランキングによると、直近5週間のデスクトップ市場は、総販売台数が前年割れしたものの、NECと富士通の上位2社製品は前年をほぼ上回り善戦している。

水冷式モデルも立ち上がる

 7月7-13日は台数ベースで、NEC、富士通、アップルコンピュータが前年同週比で2-13%増となった。富士通は、鮮やかな画面表示の「スーパーファイン液晶」とDVDドライブ搭載機種が好調で、直近5週間はいずれも前年同週を2-28%上回った。 NECもこの5週間は、5月に発売したテレビ機能付「バリュースター Lシリーズ」の3モデルが常に上位にランクインし、5週のうち2週が1-3%減と前年割れした以外は、前年同週比2-10%増で推移した。同社は5月、デスクトップで初めて、CPUから発生する熱を冷却液で冷やす水冷式「バリュースター FZ」を発売。この水冷式モデルは機種別販売台数シェア順位で50位以内に顔を出し始め、面白い存在になっている。アップルは、6月に発売した1.25GHzシングルプロセッサモデル「パワーマック G4シリーズ」が話題を呼び、直近2週間は前年同週比で10%以上も販売台数を伸ばした。

 一方、ソニーとソーテックは、いずれもほぼ前年割れが続く。ソニーは5月にデスクトップ全機種にDVDドライブを搭載し、17.5インチワイド液晶の「バイオ W PCV-W500」をリリースしたが振るわず、4週連続で前年割れ。ソーテックは6月中旬、液晶ディスプレイ一体型の「アフィーナ ASシリーズ」で徐々に挽回している段階だ。電子情報技術産業協会(JEITA)が発表するパソコン出荷台数は、昨年まで2年連続で減少した。だが、デスクトップに関しては、今年の夏商戦は前年を上回る販売も見込めそうだ。
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