全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>19.千葉・総武線沿線(下)

2004/03/15 18:45

週刊BCN 2004年03月15日vol.1031掲載

 JR総武線・千葉駅前のヨドバシカメラ千葉店(千葉市中央区)は、購入者のリピート率が91-92%と高い水準で推移している。商圏は、千葉市をはじめ、船橋市や柏市、松戸市、銚子市、勝浦市など千葉県全域を網羅。田村文哉店長は、「今年6月までにリピート率を93%に引き上げる」と意気込んでいる。

ヨドバシ千葉店、リピート率90%超

 1日平均の来店者数は、平日が4000-5000人。午前中の顧客のうち約1割は、最寄駅が千葉駅である60歳以上の地元住民。昼間は、駅前周辺に勤務する会社員、午後から夕方にかけてが主婦層、夕方以降が学生や会社帰りのビジネスマンなどとなっている。土日は8000-1万人が来店し、各地から訪れる家族連れがほとんどだ。パソコンユーザーでみれば、中級者や初級者、初心者層で大半を占めるという。そのため、フロアは「誰が見ても分かりやすい提案型の展示」にしている。

 デジタルカメラ売り場では、実際に撮影できるデモコーナーを設置。ぬいぐるみなどの被写体を置いている。しかも、「ライトやレフ板なども用意し、最適な撮影の仕方を説明している」と、わかりやすい使い方の説明で購入に結びつける。

 AV(音響・映像)フロアでも、スピーカーとアンプをセットにしたホームシアターセットと薄型テレビを組み合わせて、生活シーンに合った体験コーナーを設けている。

 接客では、「社員によって、商品知識が豊富だったり、顧客ニーズを吸い上げるのが得意だったりとさまざま。そのため、毎週1回は必ずお互いの得意な接客法を教え合う勉強会を実施している」と、常に接客レベル向上に取り組んでいる。加えて、従業員それぞれが商品を実際に使用し、その経験を接客に生かしている。

 各商品カテゴリーの売上構成比は、パソコンおよび関連機器が35%と最も高く、次いでカメラおよび関連機器が25%以上、AV機器が20%と続く。「パソコンは、前年同月を若干下回っている状況が続く。しかし、大型液晶モニタでテレビチューナーと記録型DVD、大容量のハードディスクを搭載したデスクトップが売れるため、映像関連の機能を搭載したモデルの用途提案に力を入れる」と、売れ筋商材の拡販には積極的に取り組んでいる様子。

 1995年にオープンした同店は、ヨドバシカメラにとって千葉県で唯一の店舗。50万点前後のアイテム数に加え、展示の工夫や接客レベルの強化で千葉駅周辺の競合店舗との差別化を図り、千葉県在住のユーザーを固定客として着実に確保しているようだ。

「今年度(04年3月期)は売り上げが前年度比約6%増になる見込み」と、順調に売上高が伸びていることを強調する。(佐相彰彦)
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