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液晶テレビのフルHD率 40インチ以上で8割占有 大画面中心のプラズマテレビでも約1割に ゲーム機との連動性ニーズを満たす

2007/03/05 16:51

週刊BCN 2007年03月05日vol.1177掲載

 フルハイビジョン大画面テレビが急速な勢いで増加していることがBCNランキングでわかった。とくに、液晶テレビでのフルハイビジョン化の進展は著しく、40インチ以上の大画面テレビでは81.7%がフルハイビジョンテレビとなった。

 BCNランキングによると、今年1月における40インチ以上の薄型テレビ(液晶+プラズマ)のうち、フルハイビジョンテレビの比率は56.6%と過半数を突破した。

 前年同月は33.3%で、全体の3分の1であったことと比較すると、一気にフルハイビジョンテレビの比率が上昇していることが分かる。

 とくに、液晶テレビのフルハイビジョン化の進展が見逃せない。液晶テレビでは、40インチ以上のうち、81.7%がフルハイビジョンテレビであり、前年同月の57.8%から一気に増加している。液晶テレビ市場をリードするシャープが、40インチ台を中心にフルハイビジョンテレビのラインアップを強化したのが見逃せない。

 一方、プラズマテレビでは、40インチ以上の比率が、前年同期は3.3%だったが、今年1月には9.3%と、2ケタの構成比を目前としている。

 プラズマテレビでは、フルハイビジョンモデルは60インチ以上が中心となり、高価格モデルとなるため、液晶テレビに比べて構成比が低いといえる。

 だが、プラズマテレビでもフルハイビジョンモデルが増加するのは間違いない。松下電器産業、日立製作所、パイオニアといったプラズマ陣営では、50インチ台での製品化のほか、40インチ台でのフルハイビジョンモデルの投入を視野に入れているからだ。

 一方、液晶テレビも、ますますフルハイビション化に拍車がかかるだろう。シャープは、亀山第2工場でフルハイビションに最適化したパネルの生産を開始。「年内には、当社が出荷する37インチ以上の液晶テレビは100%フルハイビジョン化する」と見通しを立てる。ソニーも前倒しでの稼働が見込まれるS-LCDの第8世代パネル生産ラインで、フルハイビジョン向けパネルの生産を加速することになるからだ。

 昨年12月に、全国の都道府県庁所在地での地上デジタル放送の視聴が可能になり、1920×1080で配信される画像を間引くことなく表示できるフルハイビジョンへの需要が高まっているほか、プレイステーション3の普及など、次世代ディスクでの再生にフルハイビジョンを求める動きも顕在化しそうだ。

 シャープでは、「40インチ以上でのフルハイビジョン化はもちろんのこと、32インチや20インチ台でもPCとの接続、ゲーム機との接続によって、フルハイビションが求められるようになるだろう」と予測しており、フルハイビジョンを切り口に市場シェアの拡大を図る姿勢をみせている。
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