店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】アスース・ジャパン (下) 「主役は売り場」がモットー

2009/09/18 16:51

週刊BCN 2009年09月21日vol.1301掲載

 アスース・ジャパンは、今年2月に「チャネルマネージメントディビジョン」を設置した。狙いの一つは、販売店との連携強化を図ること。その現場で奮闘する一人が、アカウントマネージャーの中村正志氏だ。

 中村氏は、某プリンタメーカーの出身。製品は違うが、パソコンもプリンタも「エンドユーザーに買ってもらうための売り場作りがカギを握る」。そのために目指すのは、「その量販店の味を出しながら、自社の製品をどのようにアピールするか」ということだ。モットーは、「主役は売り場」。

 売り場作りだけでなく、製品を知ってもらうための啓蒙活動も中村氏の重要な使命。そのために定期的に同社製品の勉強会を開催している。「中村に話せば、(販売店にとって)うまい具合にいく」と思ってもらえるように、販売員との関係強化に力を注いでいる。さらに、販売店からの生の声をフィードバックすることも欠かせない役目だ。

 中村氏には、実は俳優の経験がある。その経験を活かし、今夏にイー・モバイルと共同で開催したイベントで「100円マン」を演じた。俳優魂を込めた「100円マン」の熱演が功を奏し、販売台数は「通常の週末の2.5倍」に拡大した。それだけではなく、販売員との距離を縮めるという効果も生んだ。

 販売店とのパイプ作りや、新規チャネル開拓など、拡販に向けた取り組みは一朝一夕にはいかない。しかし、だからこそ「自社の製品を選んでもらえたときには喜びを感じる」のだ。「仮に100円だろうが、何十万円だろうが、一生懸命に働いたお金で製品を買ってもらっている」というエンドユーザーへの感謝の気持ちが根底にある。(田沢理恵)

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