グリーンハウス(小沢武史代表取締役)は、女性層を狙ったデジタル機器の販売を加速する。同社はデザインやカラーを切り口にした女性向けのPC周辺機器などをすでに販売しているが、今回、新たにAV機器を投入。製品領域を広げる。「一般的なPC関連機器は市場のパイが広がっていない一方で、PCやデジカメなどを使う女性は増えている」(奥寺貴哉・商品戦略部マーケティング課部長)ことに着目。品揃えを増やすことで、デジタル機器市場で女性層を開拓し、ビジネス拡大を図る。
縮小市場でユーザーのすそ野広げる
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奥寺貴哉 商品戦略部 マーケティング課部長 |
女性向けに特化したAV機器として11月に発売したのはデジタルビデオカメラ「GHV−DV30HDLX」。カラーはピンクとホワイトで、3型のカラー液晶モニタの背面にラインストーンをあしらったエナメルキルティング調のデザインを採用した。専用ポーチも付属する。
1280×720画素のハイビジョン映像で撮影が可能。内蔵メモリのほか、SDメモリカードにも録画できる。
直販価格は1万6800円。ターゲットは20~30代の女性で、「かわいいデザインと手頃な値段でコンパクトデジタルカメラなどよりも本格的な動画撮影ができることをアピールする」(奥寺部長)考え。
稽古事の記録やちょっとした外出などで気になった風景の録画といった用途を想定。デザイン性と低価格を武器に展開することで市場では大手メーカーの製品との棲み分けを図る。
ビデオカメラに続き、自分で飾り付けができるイヤホンも投入する。カナル型でイヤホンの外側に丸型の部品を付け、ラインストーンなど、ユーザーが好みのデコレーションを行えるようにした。
「自分好みで一つしかないデザインができるイヤホン」(同)を訴求ポイントにする。12月中旬に発売。価格は未定で、購入者層は大学生を狙っている。
グリーンハウスでは、2008年から女性層の取り込みを狙ったデジタル機器を発売。ハート型をデザインのモチーフにしてピンクやレッドなどのカラーを採用したカラフルなマウスやUSBメモリをはじめとするPC周辺機器、LED(発光ダイオード)ライトやカップウォーマーといった機器のほか、ハート型やテレビ型のデジタルフォトフレームなどを販売している。
製品開発は20代の社員へのリサーチなどを行って企画。製造は外部委託を活用し、コストを削減することで女性が手頃に購入できる価格にした。
販路も雑貨店やファンシーショップ、ホームセンターなどの店舗を中心に展開しており、積極的に女性ユーザーの獲得を図っている。
ビデオカメラでも同様のマーケティング戦略を実施する。現在、ディスカウントショップやホームセンターなどで販売しているが、今後はPC周辺機器などと同様に雑貨店ルートなどにも販路を拡大する計画で、発売1年で3万台の販売を目指す。
イヤホンについては当初から雑貨店のみで売り出し、年間3万個の販売を見込む。販路拡大に向けては直接営業による開拓のほか、雑貨店などに強い卸会社を活用する。
同社では価格競争や単価下落が進むデジタル機器市場にあって、女性マーケットは成長が見込める分野として有望視しており、「今後も女性に特化したPC、携帯電話周辺機器、マルチメディア機器などの製品を強化していく」(同)考えだ。(米山淳)

グリーンハウスが新たに投入する女性向けビデオカメラ(上)とイヤホン