頂上熱戦

【頂上熱戦】「ポータブルナビ」(前編) 三洋電機とソニー

2010/04/22 18:45

週刊BCN 2010年04月19日vol.1330掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(前編)では「製品戦略」を、(後編)では「販売戦略」を問う。

Question. 製品戦略は?

【共通質問事項】 (1)春の新モデル (2)ターゲット (3)自社の強み

(左上から)三洋電機「NV-SB570DT」、ソニー「NV-U35(オレンジ)」


Answer.三洋電機

秋山隆
車載機器事業部
販売推進部 市販企画課
課長
(1)【春の新モデル】4月下旬に発売する「Gorilla」は、16GBの大容量SSDを搭載し、地図情報やナビゲーション性能など、本来のカーナビ機能を強化した3モデルを投入する。画面サイズは7.0型が1機種、5.2型が2機種。2009年11月に発売した小型・軽量モデル「Gorilla LITE」などとともに、合計5製品で幅広いニーズに応えていく。新モデルでは、音楽や動画を内蔵メモリに保存して再生する機能や、当社のポータブルナビで初めてフォトフレーム機能を備えるなど、クルマの中で利用する以外の「楽しい使い方」を提案している。

(2)【ターゲット】ポータブルナビのユーザー層をどんどん広げていきたい。そのために、春モデルの発売を機に、従来の主要ユーザー層である50~60歳代の男性に加え、女性をはじめとする20~30歳代の新しいユーザーを取り込む「二極化戦略」をとっていく。若い女性にナビを身近に感じてもらうために、例えば地図のカラーを「パステル」や「レトロ」に変えることができるなど、細かいところまで配慮した。本体カラーは、現状はブラックだけの展開だが、今後は、女性向けのホワイトなどの投入を検討する。

(3)【自社の強み】カーナビを手がけて15年。その間、培ってきた技術によって、最も使い勝手のよいナビゲーションデバイスを実現している自負がある。製品はすべて日本製で、ユーザーは安心して使用できる。今後は、充実したカーナビ機能に加え、「楽しい」をキーワードにした機能の搭載で、他社との差異化を図っていく。


Answer.ソニー

中牟田寿嗣
コンスーマーAVマーケティング部門
パーソナルAVマーケティング部
統括部長
(1)【春の新モデル】3月に発売した「nav-u NV-U35」は、自転車での走行に適したルートを案内するモードを備えたモデル。クルマで使うだけでなく、自転車のハンドルに取り付けてサイクルナビとしての使用を想定している。もちろん、徒歩用のガイド機能をさらに進化させた「徒歩ナビ」も搭載している。防滴仕様なので、雨に降られても安心だ。カラーバリエーションはブラックのほか、ホワイトとオレンジを用意した。ナビのイメージを一新するアクティブな色を通じて、「クルマから持ち出して使える幅広い用途」を訴求している。

(2)【ターゲット】男女や年齢など、属性別に固定したターゲットは設けていない。今、開拓を狙っているのは、積極的に自転車に乗ったり街を歩いたりする「活発な人」だ。この方々にとって、親しみやすい製品を提供していく。色やデザインも、女性の好みだけに合わせたわけではない。クルマの外での使い道を前面に押し出すことで、これまでカーナビが視野に入らなかった「クルマを持っていない人」にも、ナビのメリットを伝えられる。

(3)【自社の強み】デザインには、非常に大きなこだわりをもっている。例えば、新モデルでは、質感の柔らかな素材を採用することで、他社にはないカジュアルなデザインを実現した。機能面では、GPSを受信できない場所でも自車位置を予想して地図に表示する「POSITIONアシスト」機能や、テレビをはじめとする当社製品との連動性にすぐれていることなどが強みだ。

(ゼンフ ミシャ)
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