頂上熱戦

【頂上熱戦】「ポータブルナビ」(後編) 三洋電機とソニー

2010/04/28 18:45

週刊BCN 2010年04月26日vol.1331掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(前編)では「製品戦略」を、(後編)では「販売戦略」を問う。

Question. 販売戦略は?

【共通質問事項】 (1)販売戦略 (2)店頭での施策 (3)今後の展開



Answer.三洋電機

秋山隆
車載機器事業部
販売推進部 市販企画課
課長
(1)【販売戦略】ユーザーとして20~30歳代の若い女性を獲得したいと考え、新機種の投入を機に、イメージキャラクターとしてタレントの関根麻里さんを起用した。若い女性に人気のある関根さんの力を借りて、ポータブルナビの認知度を高め、生活のなかに溶け込む親しみやすいアイテムとして定着させるのが狙いだ。関根さんを通して、今までなかなか伝わりにくかったポータブルナビの「楽しい使い道」を分かりやすく訴求することができると考えている。今のところテレビCMは打っていないが、ホームページなどで、関根さんをさまざまな場面で活躍させたい。

(2)【店頭での施策】去年から、「Gorilla」のブランドカラーに新鮮なグリーンを採用している。箱もグリーンで統一するなど、ビジュアルの刺激を重視した店頭展開を始めた。ブランド名にちなんで売り場にゴリラのぬいぐるみを飾っているのも、この戦略の一環だ。今後は、関根さんをポスターなどの形で店頭に登場させることで、「Gorilla」ブランドのインパクトをさらに強めていく。

(3)【今後の展開】新モデルには、新技術や新機能をかなり盛り込んだ。その反動で、今後は何を武器に展開していくのか、悩ましいところだ。しかし、いまだにポータブルナビそのものを知らない人が多いという事実から、新規ユーザーを開拓する余地は大いにあるとみている。ポータブルナビをまだ活用していないユーザーの潜在的なニーズを見極めて、それに応えることで、市場をさらに活性化したい。


Answer.ソニー

中牟田寿嗣
コンスーマーAVマーケティング部門
パーソナルAVマーケティング部
統括部長
(1)【販売戦略】ポータブルナビは、テレビなどと違って、見た目だけでは良さが伝わりくく、活用イメージが沸きにくい商品だ。われわれは、ホームページで具体的な活用シーンを紹介することによって、カーナビ用途だけではない幅広い活用シーンを提案している。例えば、若いカップルがポータブルナビを自転車のハンドルに取り付けて楽しそうにサイクリングをする活用シーンでは、「クルマがなくても、ポータブルナビを手に入れればこんなに楽しいですよ」ということを若い男女に訴求している。さらに4月中旬からは、「nav-u」を購入者を対象に、豪華賞品が当たるキャンペーンを実施するなど、これまで以上に販促活動に力を入れていく。

(2)【店頭での施策】店頭だけで、「nav-u」を印象的にアピールするのは、残念ながら難しい。まず、ホームページで使い道を訴求してお客様に興味をもってもらい、その後、店舗に導く戦略をとる。店頭では、売り場の装飾や箱などにイメージカラーのオレンジを積極的に使い、目立つ形で展示している。

(3)【今後の展開】徒歩や自転車で使用する新規ユーザーを獲得しながら、本格的なカーナビ機能の進化に注力して、クルマ利用のユーザーも獲得するという両面戦略を採る。多くのデジタル製品を展開しているソニーの強みを生かし、パソコンや携帯オーディオ、テレビ、BDレコーダーなど、さまざまなデバイスとの連携を強化して、他社にはできない規模でポータブルナビという商品の可能性を広げていきたい。

(ゼンフ ミシャが担当)
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