【上海発】サンワサプライの中国現地法人、山業(上海)商貿有限公司は、今年度(2010年12月期)下期から、中国内のコンシューマ向け製品の販売事業を強化する。現在、中国市場での売上高のうち、コンシューマ向けは1割強にとどまるが、同社の山田祐三・董事総経理は「量販方式の家電量販店進出が増える」と、ヤマダ電機など日本系や欧米系の量販店の出店が相次ぐことを契機に、販売の拡大を狙う。
中国内の家電量販店は、ほとんどがディーラー各社が店舗を間借りする「ラジオ会館方式」と呼ぶ形態だ。これに対して、日本系や欧米系、あるいは中国ローカル量販店は、日本で一般的な「量販店方式」で市場参入しており、これからは量販店方式が主流になることが予想される。
サンワサプライは、この傾向が強まれば、仕入れ・卸が簡略化されることや単価下落の防止、コピー製品の流通減など、メリットが大きいと判断し、日本系、欧米系量販店の進出を好機と捉えて体制の整備を急ぐ。(谷畑良胤)

中国・上海市の郊外にあるサンワサプライの事務所は、スタッフ7人で業務を切り盛りしている。写真は、同社製品を置くスペースでポーズをとる山田・董事総経理