気になるアイテムを徹底分析

<気になるアイテムを徹底分析>店舗スタッフに聞く売れ筋商品――スマートフォン(1)

2015/04/16 16:51

週刊BCN 2015年04月13日vol.1575掲載

 2010年秋ごろから需要が急激に伸び、今では年齢を問わず、幅広い層が利用しているスマートフォン。利用者が多いというのは喜ばしいことだが、市場が成熟していることにもなる。家電量販店やパソコン専門店にとっては、いかに買い替え需要を獲得できるかがスマートフォンビジネスの拡大にかかっている。各メーカーの端末や取り扱うキャリアの数を充実させ、スマートフォンユーザーの選択肢を広げて買い替えを促すなどに力を入れている店舗が多い。スマートフォンは果たしてビジネスとして旨みがあるのか。そこで、今回はビックカメラ有楽町店の携帯電話コーナーを担当するスタッフに聞いてみた。

ビックカメラ有楽町店
高橋秀治
主任

お客様は、手軽にスマートフォンを持つことができるかどうかに関心を高めている
 高橋秀治主任によれば、「確かに大手キャリアのスマートフォンを契約するお客様の多くは、すでにスマートフォンをお持ちで、しかも同じキャリアで契約する方の多くが、キャリアメール(携帯電話向けメールアドレス)を使っておられるケースが多い」と説明する。

 一方、キャリアメールを使わないユーザーの関心を高めているのが「格安スマホ」と呼ばれる大手キャリアと比べて月額料金が極端に安いスマートフォンだ。「とにかく安く利用したいという方は、キャリアにこだわっていない。とくに、2台持ちの方は必ずといっていいほど格安スマホを選択肢に入れている」という。

 格安のスマートフォンが人気を高めているということで、ビックカメラで契約数が増え始めているのが「BIC SIM」だ。月額900円からLTEデータ通信が使えるサービスで、ビックカメラ店舗でSIMカードを購入してウェブで開通手続きを行うだけでスマートフォンでのデータ通信が楽しめるようになる。他キャリアで契約中のスマートフォンだけでなく、契約切れの端末でも利用できるほか、タブレット端末やモバイルルータでも使えるという点が強み。ビックカメラ有楽町店では契約するための専用カウンターも設けており、「平日、休日を問わず、多くのお客様がみえている」と高橋主任は自信をみせている。

 このBIC SIMによって、「新規にスマートフォンをお使いになるお客様も増えている」という。とくに、会社員が小中学生の子どもにスマートフォンを持たせるために契約するケースが多いようだ。高橋主任は、「スマートフォンユーザーのすそ野を、さらに広げることにもつながっている」とアピールする。

 コモディティ(日用品)化によって、成熟市場になるのではないかという見方の強かったスマートフォンだが、さまざまなキャリアが市場に参入して、再び活況を呈しているというのが実情だ。しかも、ビックカメラに関しては「自社のSIMサービスによって、利益率が高まっている」という旨みが出ている。

スマートフォンの買い替え時に人気を高めている「BIC SIM」
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