これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「Pestalozzi Technology・井上友綱代表取締役社長CEO」を取材しました。
米国で得たアイデア
幼い頃から運動が好きで、大学ではアメリカンフットボール(アメフト)部で活躍した。卒業後にナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の選手を目指して渡米。目標には届かなかったものの、滞在中に選手の育成について多くの学びを得た。
その一つが、スポーツテストのデータ活用。米国にはプロも学生も共通して受ける、アメフトに特化したテストがある。テストの結果はデジタル化され、利用されている。例えば、試合に出られない選手でもフィジカルデータで潜在能力が分かるため、活躍の場を広げられる可能性がある。こうしたデータを生かす発想が、事業のアイデアにつながった。
体力テストをデジタル化
帰国後、スポーツテック領域などで経験を積み、2019年にPestalozzi Technologyを設立。学校で行われる体力テスト結果のデジタル化に着目し、集計システム「ALPHA」を開発・提供する。
企業向けにも「ALPHA for Biz」を展開する。製造や物流などの業界では、従業員は「体が資本」であり、体力や運動が不十分だと重大な事故につながる恐れがある。体力テストを実施する企業もあり、データを基に課題を抽出して改善策を提案できるようプロダクトで仕組み化する。
運動習慣を身に付ける
近年、子どもたちの体力は低下しており、現状のままでは、成人後には生活習慣病発症リスクが高まることなどが予想されている。「学生のうちに身に付いた運動習慣は大人になっても保たれる。子どもたちにどう運動と向き合ってもらうかが課題になっており、われわれのプロダクトで解決をしていきたい」
ALPHAは全国約5200校で導入されているが、データを基に最適化されたコンテンツを勧める機能などはまだ十分に利用されていない。「運動習慣を身に付けるだけでなく、先生方の業務改善にもつながるはずだ」とデータの価値を高め、さらに現場への支援を広げていく決意だ。
プロフィール
井上友綱
1986年生まれ、大阪府寝屋川市出身。早稲田大学スポーツ科学部卒業後に渡米。帰国後に元400mハードル選手で日本記録保持者の為末大氏と次世代選手の育成を支援する企業を創業した。運動データを価値あるものにしようと、2019年にPestalozzi Technologyを設立。
会社紹介
体力テストや部活動の運動データを取得・集計・分析して活用する「ALPHA(アルファ)」を提供。企業向けには、体力チェックの実施を通して社員の健康課題をワンストップで解決するサービス「ALPHA for Biz」を展開する。