これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「HERP・庄田一郎代表取締役」を取材しました。
コンプレックスが武器に
厳しい家庭で育った。どれだけ勉強してもほとんど褒められない。自分を認められず、劣等感にさいなまれる日々。承認欲求は強くなり続けた。「人に認められたい」。そのために、他者が何を考えているかを探り、その人となりを分析し、「この人に認められるにはどうすればいいのか」を考える癖がついた。この洞察力は武器となり、現在の仕事につながっている。
採用業務に適性見いだす
採用業務との出会いは突然だ。新卒で入社した企業で、IT化を推進するためにエンジニアを新卒で100人採用する号令がかかった。その際、採用チームに選ばれた。当初は他社志望の学生を説得することに違和感を抱いていたが、次第に「大好きな自社について語る仕事」と捉え直すことで迷いが消えた。培われた洞察力を生かせる分野として、適性を感じるようにもなった。
一方で、候補者情報の書き写しや日程調整といった業務はもっと効率化できると感じた。「テクノロジーで何とかしたい」。誰もやらないことで成功を収め、周囲に認められたいという思いもあり、採用活動をテクノロジーで支援したいと考えた。
企業と人の接点をつくる
起業は個人的な動機だったが、新卒や中途の社員を説得して雇用していると、会社という存在そのものが「自分の責任範囲である」という感覚が生まれてきた。次第に、自分のことよりも、会社のメンバーとともにミッションを達成することが重要になっていく。あれほど自身をさいなんでいた承認欲求は、創業から数年で消えていた。
今は、世界に誇れる国内企業を増やすことで日本を強くしたいと、採用の変革に取り組んでいる。「人は、それぞれに応じたリスクを取って挑戦し、経験を増やすことで強くなれる」。新しいかたちの転職活動や企業と人の接点を生み出すことで、日本全体の経験の総量を増やすことを目指している。
プロフィール
庄田一郎
兵庫県出身。京都大学法学部卒業後、リクルートに入社。リクルートホールディングスへ出向し、エンジニア新卒採用に従事。その後、エウレカを経て、2017年3月にHERPを創業。
会社紹介
AI搭載の採用管理システム「HERP Hire」を提供。スタートアップ企業の求人情報をまとめた求職者向けメディアや、人材紹介会社向けの人材紹介システムなども運営する。