これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「Green AI・鈴木慎太郎代表取締役CEO」を取材しました。
夢とロマン
コイルに太い銅線を巻き、モーターをつくる。幼少期にミニ四駆を自作した思い出がある。学校のテストでも電気に関する成績は良かった。「昔からエネルギーにはなぜか縁がある」
社会人になって起業を志しても、すぐに今の事業を目指したわけではない。電気はビジネスとして差別化が難しく、資本力の勝負になると考えていた。しかし、電力小売りの自由化や、カーボンニュートラルへの移行という変化が訪れ、前提が崩れた。電気を使う側の数だけ、新たな課題と事業機会が生まれた。
エネルギー消費を抑え、各国が資源を自国で賄えるようになれば、対立も減らせるかもしれない。壮大な「夢とロマン」に思いを巡らせる。
信じて任せる
社員に日々刺激を受ける。少しずつ力をつけて社長の管理を離れると、想像を超える成長曲線を描くという。仕事は任せても経営者として責任は全うする覚悟で、社員の人生や家族まで背負っているとの思いを強くする。
「仕事ができる人の最上位は起業家だ」。周りより秀でたいと起業したが、こんな憧れは昔のものだ。「ナンバーワン」を目指す自己実現ではなく、自分にしかできない「オンリーワン」は何かに目を向けている。
引きつける力
海外の会社とビジネスするなら、「CEOが英語をしゃべれなければ、企業価値は半分以上損なわれる」と考える。会社が成長するほど自身の課題が見えてくる。足りないものを見つめ、自らを変え続ける。
直接関わらないビジネスも増えてくる。対話機会のない人に思いを伝えるにはどうすればいいか。言語化できないオーラをまとい、「人を引きつける力」を養おうとしている。
趣味はキックボクシング。相手との間合いを読み、拳を打ち込む。その瞬間は目の前の攻防に没頭する。仕事の集中力にもつながっている。
プロフィール
鈴木慎太郎
1986年生まれ、静岡県出身。東京大学大学院工学系研究科修了。三菱商事、ボストンコンサルティンググループなどを経て、2023年にGreen AIを創業。
会社紹介
CO2削減のサポートシステム「Green AI」を提供する。拠点や工場のCO2排出状況を収集し、5000件以上の脱炭素・省エネ施策のデータベースをもとに削減計画を自動策定。モニタリングやベンダーマッチングも担う。