これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「SYSLEA・大橋勇輔代表取締役CEO」を取材しました。
自分で決める感覚
立命館大学理工学部では半導体や回路を学んだが、研究に没頭した記憶はあまりない。キャンパスライフの中心はサークル活動だった。フットサルや野球、スノーボード。暇なときは体育館でドッジボールをした。種目を絞らない「オールジャンルスポーツ」のサークルで、会長を務めた。
幼いころから好奇心旺盛だった。それは今も変わらない。バスケットボールに野球、水泳、柔道、そろばん、書道。「親に感謝している」。やりたいと思ったことは一通りやらせてもらえた。一つを突き詰めるより、試して選ぶ。その繰り返しの中で、自分で決める感覚が身に付いた。
管理に収まらない
新卒で入ったのはニトリ。大型店に配属され、2000坪規模の売り場で約40人のパート従業員をまとめた。ただ、現場は標準化され、迷うことは少なかった。「この働き方は合わない」と、2年で離れた。
次に選んだのは、ベンチャー企業の営業。初日から電話をかけ続けた。1日200件。最初は1件も取れない。「終わったと思った」。それでも続けた。やり方を変え、売り方を試す。気付けば、3年連続でトップセールスになった。3社目の日本オラクルでは、大手企業向けの営業でも結果を出した。それでも、別の違和感が残った。「売ることはできても、つくる側に回れなかった」
営業は考え続ける
営業として、ある感覚がはっきりした。売れるときほど、入力や報告から遠ざかる。「経費精算も間に合わないし、日報も書かない。CRMも入力しない」。それでも数字はつく。理由は単純だ。「ずっとお客さんのことを考えている」。移動中も、打ち合わせの合間も、次にどう話すかを組み立てる。顧客にどう価値を出すか。その“脚本”を頭の中で回し続ける。
体に染み付いた感覚を、入力しなくていいかたちにした。AIが商談やメールなどの営業記録を整理する仕組みだ。社名の「SYSLEA(シスリー)」は、システムと草原を意味する言葉を組み合わせた。「システムで自由な社会をつくる」
プロフィール
大橋勇輔
1988年生まれ、愛知県出身。立命館大学理工学部卒業。ニトリを経てクラブネッツで営業に従事。日本オラクルで大手企業向け営業を担当した後、ユーザベースに入社。新規事業の立ち上げや営業統括に携わった。2023年、SYSLEAを創業。
会社紹介
AIを活用した営業支援サービス「Frictio」を展開。商談やメールなど顧客とのやり取りをAIが自動的に記録・整理し、商談の状況や顧客の関心を把握して次の対応まで支援する。営業担当者の入力や報告の負担を減らす。