これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「Shinonome・種市隼兵代表取締役CEO」を取材しました。
「実践的でない」と直談判
中学生まではプロサッカー選手を目指しクラブチームで活躍をしたが、視力の低下で断念し、別の道を探した。「プログラミング技術を覚えれば、世の中の人たちを幸せにできるのでは」と、猛勉強の末に理工系の難関大学へ入学。ただ、基礎理論重視で実際にPCを使う授業は週に1回。開発を実践したくて1年次からIT企業で働いた。
授業の課題で、赤外線機器をスマートフォンから遠隔で操作する仕組みを開発。当時は珍しいIoTシステムだったが、「授業で教えていない」などと評価されない。理事長に「実践的な教育が行われていない」と気持ちを直接ぶつけると、「大学の部屋を貸すから、自分で(プロジェクトを)やってみなよ」と勧められた。
学生と技術者がチームで仕事
サークル活動から始め、その後2016年に大学発のスタートアップとしてShinonomeを設立。学生コミュニティーを生かし、ITを学ぶ学生とフリーランスの技術者がチームを組み、顧客企業の開発案件などを請け負った。
自身の経験から、「先生に認められないことが理由で、将来を頑張ろうとする学生につまづいてほしくない」という思いがあった。無料で技術を学べる環境を整備し、「勉強=仕事」という実践につながる場所をつくりたいと奮闘する。社名は、大昔に明かりを部屋に取りこむため篠竹を編んで作られた窓「篠の目」からとった。意味が転じて「夜明け」を表す篠の目のように、努力する人を照らし、社会との窓でありたい。
手を差し伸べ続ける
起業後しばらくして、幼いころからずっと厳しかった父が「お前の会社、良い会社だな」と言ってくれた。いつも優しかった母とともに、父も不器用ながら見守ってくれていたのだと思うようになった。同じように、自分も誰かに手を差し伸べ続けていく。
創業から、今年で10年。「同じ船に乗ってくれる仲間がこんなにいる」ことが、経営のモチベーションだ。
プロフィール
種市隼兵
1993年生まれ、東京都出身。東京理科大学卒。大学在学中の2016年、Shinonomeを創立した。ハイレゾのCTOも務める。
会社紹介
2016年創立。東京理科大学発のスタートアップ企業。企業との協働により実践的な技術を学ぶIT教育コミュニティー「PlayGround」の運営や、テクノロジーコンサルティング業、開発、保守運用事業を展開する。