これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「Share-Me・ヒル翔代表取締役CEO」を取材しました。
サウナで考える
週に1度、サウナで「ととのう」。20分のサウナ、水風呂に3分、外気浴を5分。それを4回ほど繰り返す。汗が噴き出し、頭の中が空になるころ、新しいアイデアや今やるべきことが浮かぶ。気付けば2時間近くが過ぎている。
「思いついたことは、その日のうちにかたちにしたい」。サウナを出ると、そのままカフェへと向かい、PCを開く。広告の見せ方やユーザー体験、事業の次の一手を落とし込んでいく。
米を炊き、事業を練る
高校卒業後、米ジョージ・ワシントン大学へ進学した。マーケティングや起業について学びながら、多国籍の学生たちと交流した。「世界のスケールの大きさに刺激を受けた」。SPを伴う学生もいた。マイアミで開く誕生日会に、プライベートジェットで友人を招待する学生もいた。
大学1年が終わるころ、コロナ禍で帰国した。オンライン授業を続ける選択肢もあったが、休学して不動産テック企業の営業インターンに飛び込んだ。敬語や電話応対も一から学んだ。大学に戻ると、仕事をした経験から授業の内容は以前と違って見えた。
4年時はインフレと円安で生活が苦しくなった。炊飯器で米を炊き、なすみそ炒めやクリームチキンなどをつくりながら事業を練った。「起業することだけは、ずっと変わらなかった」
二つの文化の間で
米国人の父と日本人の母のもと、5人きょうだいの末っ子として育った。家族はスポーツ好きで、そろって負けず嫌いだった。日本では「ヒル翔」、英語では「ショーン・ヒル」と名乗る。「自分が何をしている人間なのかを伝えなければ、何も起こらない」。米国で触れた自己表現の文化と、日本で学んだ相手への配慮。その両方が今の自分をつくっている。
創業したのは24歳の時。社名の「Share-Me」には、「シェアしなければ何も始まらない」との思いを込めた。名刺を交換しても、どんな挑戦をしているのかまでは分からない。スマート名刺は、その挑戦を伝えるための手段だ。その先に、人と人との新たな可能性を見ている。
プロフィール
ヒル 翔
1999年生まれ、愛知県出身。高校卒業後に渡米し、ジョージ・ワシントン大学で起業学を専攻。2024年にShare-Meを創業。
会社紹介
NFCを活用したスマート名刺サービス「Share-Me」を提供。スマートフォンをかざすだけで、電子名刺やSNS、Webサイト、提案資料などを共有できる。AIを活用した名刺管理や営業支援機能も展開する。