これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「アジラ・木村大介代表取締役」を取材しました。
ベトナムで見つけたビジネスの芽
現在の事業につながる出会いは、ぐるなび時代に渡ったベトナムのハノイにあった。複数のシステムを横断して統括する立場にあったことからビッグデータに着目したが、当時は国内のデータサイエンティストが不足しており、海外に目を向けた。
勢いがあるとの噂を聞いて訪問したハノイは、まさに人材の宝庫だった。現地の技術者とディスカッションを重ねる中で、特に注目したのがディープラーニングだ。すぐにその革新性に魅了されたものの、担当事業で生かすのは難しく、それならばと独立の道を選んだ。
「行動認識AI」にフォーカス
ディープラーニングを柱とする事業を志し、創業したアジラでは「行動認識AI」にフォーカス。企業への基礎技術の提供や事業売却によって売り上げは順調に拡大した。だが、そこで満足するつもりはなかった。スキルやノウハウを蓄積していく過程で「世界で勝負できる」という自信が深まっていったからだ。
「スタートアップであるなら、世界一を目指さなければ意味がない」
自分自身と社員を鼓舞するうちに、熱に惹かれて世界中から優秀な人材が集まってきたことも好循環を生んだ。
「見守り」から「警備」へ転換
当初、行動認識AIを活用したプロダクトとして想定していたのは、高齢者の生活を見守るためのAIだった。転機となったのは「アジラの行動認識AIで警備システムを構築したい」という顧客からのオファーだ。まだほとんどプレイヤーのいない新しいマーケットにチャンスを見いだした。
2年半の開発期間を経て、いよいよ今年、社名を冠する警備AIをリリース。先行者のメリットを生かすべく、世界展開の準備も急ピッチで進めている。念願の世界一に向け、今がまさに勝負所だ。
プロフィール
木村大介
1976年生まれ。NTTグループで研究開発に従事。2011年にぐるなびに転職し、システム統括兼SEMを担当。Webマーケティングを経験したあと、ハノイのIT特区でビッグデータ分析チームを立ち上げる。15年に日本とベトナムで同時にアジラを創業。
会社紹介
ディープラーニングを主要テクノロジーとする行動認識AIの基礎技術やソリューションを提供。22年に防犯カメラシステムをAI化できる施設向けAI警備システム「アジラ」をローンチ。東京、ベトナムのハノイにオフィスを構え、グローバルに事業を展開する。