これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「VITA・佐々木映美代表取締役」を取材しました。
未知の技術を学ぶ「爽快感」
「PCが使えたら、かっこいい」。そんな思いから新卒でSEになった。就職した2000年代初めは、まだPCが家庭に広くは普及していない時世。IT産業がこれから大きくなっていくという期待感に満ちていた。
ITスキルがゼロの状態から始めたにもかかわらず、情熱を持って仕事に取り組めたのは「ゲームをクリアするときのような爽快感」があったからだ。自分にとって未知のものであった技術が、数カ月もすれば理解できるようになっている。成長がダイレクトに感じられる環境が性に合っていた。
私の楽園は誰かの地獄かも
ベストな労働環境とは十人十色で、「私にとっての楽園は誰かにとっての地獄かもしれないし、誰かにとって100%の楽園をつくることもできない」。だからこそ「今あるこの環境をいかに楽しめるか」「そのためには何をするべきか」を考えられる人や会社であることを心がけている。
人生において、仕事はかなり多くの割合を占める。だからこそ「仕事の時間がつまらなかったら、人生がつまらなくなってしまう」。働く時間を楽しくするために、「いきいきと」働く人になりたい。
「仕事は面白い」と言える社会に
大きな目標として掲げるのは「日本の20代、30代に仕事が面白いと思ってもらう」ことだ。そのために、教育事業も始めた。当然、仕事は楽しいことばかりではない。ただ、仕事は面白いと言えるような社会が望ましいと感じている。
仕事はつまらない。そんなイメージが刷新されれば「能動的にスキルアップしたくなるかもしれない」。そして、力をつけることができれば、人生の可能性は大きく広がる。「働くことに対するイメージを変えたい」。その先には、人々がより「いきいきと」働ける世界が見えてくるはずだ。
プロフィール
佐々木 映美
1980年、静岡県生まれ。明治大学短期大学部経済科卒業後、ソフトハウスに就職し、プログラマーとしていくつかのプロジェクトに参加。海外進出予定の企業に転職、営業を経験。退職し、海外に留学した後、個人事業主としてプログラミング業を開始。2008年にVITAを設立。
会社紹介
創業時から、ミドルウェア領域に特化したシステムエンジニアリングサービス(SES)を手掛ける。創業10年目を期に、IT事業を担う若手を育成するため、教育事業を始める。その一環として、2022年3月にボードゲーム制作ブランド「WAZAgames」を立ち上げた。