これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「ONESTRUCTION・西岡大穂代表取締役CEO」を取材しました。
鳥取で学んだこと
鳥取での学生時代、農業分野での起業を志し、野菜販売の事業に挑戦した。水産や林業、物流など、地域の一次・二次産業を支える多様な担い手と出会ったことを通じて産業全体に目を向けるようになった。「生活を支える産業を、テクノロジーの力で進化させたい」。培われた思いは「人にはできないことに挑戦したい」という自身の価値観とも重なった。
データをつなぐ
建設業に課題意識を持つ共同創業者との出会いを機に、3Dモデルを軸に建設情報を管理するBIM(Building Information Modeling)領域で事業を展開している。創業当初は「BIMに関することは何でもやる」という方針のもと、建設会社向けのモデリング業務などを受託しながら、建設業の理解を深めた。やがて見えてきたのは、BIMの導入は進む一方、現場では意匠や設備、構造といった各分野ごとに異なるソフトウェアが使われている現実。設計や契約といった場面ごとでデータの分断を招いていた。
そこで、データ連携を主眼に置いたソリューションを開発することになる。次に目指すのは蓄積されたデータのAI活用だ。建設業界の人々が日常的に使うインフラとなるソフトウェアを目指す。
本社を鳥取に置くのは、地方からレガシー産業の変革に向き合う覚悟の表れだ。「鳥取から世界へ」。視線はすでにグローバルへと向いている。
雑草スタートアップ
社員の3分の1が建設会社出身という、現場感覚に強い組織を築いている。採用では学歴や経歴にとらわれず、こだわりや個性を持つ人材を重視。エリート人材が集まるようなITスタートアップとは一線を画し、「雑草スタートアップ」と自称する。理想の経営者像は、一人一人のポテンシャルを解き放つリーダーだ。
全国のユーザーの元へ飛び回る日々が続く。移動の合間にはご当地グルメを探すことが楽しみになっている。
プロフィール
西岡大穂
1997年生まれ、京都市出身。鳥取大学農学部卒業。2020年にONESTRUCTIONを創業。同年、リクルートに入社。24年に退社し、現在はONESTRUCTIONの経営に専念している。
会社紹介
建設業で用いられるBIMデータを標準化し、企業間で連携する「OpenAEC」シリーズを提供。建設会社のDX支援も手掛ける。