これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「セルプロモート・林 亮太代表取締役CEO」を取材しました。
10万人の供給過多予測にがくぜん
最初のキャリアが人材サービス会社だったことが影響して、2019年に起業してからは、IT技術者の潜在力を最大限に引き出す「IT技術者のプロデューサー」を自負して活動している。
起業する際に見た経済産業省のIT人材需給に関する調査レポートに、「従来型IT人材のスキル転換が進まなければ、『2030年までに10万人規模の供給過多が起こる』との予測」が記されていて、がくぜんとした。DXなどを主導する先端IT人材の需要は高止まりする見通しに対して、スキル転換が十分でない人材の供給過多が発生するというものだ。
AIの登場で事業環境が激変
実際、AI技術の進展でプログラム開発が自動化され、プログラム開発人材の供給過多が現実味を帯びてきている。「人材プロデューサーとしては到底看過できない」とし、自社の160人の技術者と、自社の人材サービスに登録している約2000人のフリーランス技術者のスキル転換を推進している。
まずは、元請け案件を増やし、ユーザー企業の業務課題から要件定義、設計までを担う上流工程の領域に技術者をシフトさせるとともに、オンプレミス用のIT機材の設置や保守などの下流工程を行うカスタマーエンジニア人材への転換にも取り組む。
需給ギャップを乗り越える
SIプロジェクトの上流工程と下流工程のビジネスを増やす営業努力と、技術者と二人三脚でスキル転換や意識改革を伴走するコーチ役をつけることで、「変えられる部分は大きい」と話す。
また、ユーザー企業がAIを活用して内製化を推進する動きを踏まえ、ユーザーの担当者にAIの知識を身に付けてもらう「AIトレーナー」にも技術者を割り当てる。パーソナルトレーニングジムの専属トレーナーに着想を得た新規ビジネスだ。
IT技術者のスキル転換を支援する人材プロデューサーに徹することで、激変する外部環境で生まれる需給ギャップを乗り越えていく。
プロフィール
林 亮太
1987年生まれ、埼玉県出身。2011年、法政大学経営学部卒業。同年、ネオキャリア入社。14年、フリーランスとしてIT企業の営業支援を担う。17年、セルプロモートの前身企業の代表取締役。19年、事業譲渡でセルプロモートを設立。
会社紹介
SI事業とDXコンサルティング事業を手掛けるSIer。従業員数は約220人。フリーランスのIT技術者の伴走支援サービス「MyConsul(マイコンサル)」には約2000人が登録している。