その他
パソコン+オーディオ 新商材を模索する各社 音響機器メーカーの新たな挑戦
2002/01/07 15:00
週刊BCN 2002年01月07日vol.923掲載
オーディオメーカー各社がパソコン分野に続々と乗り出してきた。オンキヨーは、従来からのパソコン周辺機器としてのオーディオとパソコンとの接続環境をさらに進展、双方から互いの機能を利用できるようにしたほか、ソニーもオーディオ事業部門が「ビットプレイ」の名称で、パソコン機能を搭載したオーディオを投入した。なかでも、ケンウッドは、イーヤマとの提携により、自らパソコンを取り扱う形で本格的な市場参入を図る。ケンウッドの取り組みを中心に、オーディオメーカーの動きを探った。(大河原克行●取材/文)
ケンウッドの「アベニュー」
ケンウッドは、自社のオーディオ技術と、イーヤマが初めて投入したノートパソコンを組み合わせた「ミュージックPCシステム アベニュー」を、02年2月から出荷する。
すでに同社は、ソーテックとの協業でオーディオとパソコンとの融合事業に取り組んだ経緯がある。そのときはケンウッドからのOEMによるもので、ケンウッドにしてみれば、契約上の一定量を出荷すれば、市場で売れようと売れまいとビジネスが完結する格好だった。つまり、本当の意味でのパソコン事業への参入とはいえなかった。
今回、イーヤマと提携して、自らパソコン販売の事業責任を負う形で参入する。ケンウッドの営業部門がイーヤマの営業担当者と同行し、パソコン売り場、オーディオ売り場の開拓を展開中だ。
もともとオーディオは、進・入学商戦の目玉的製品。入学や入社祝いとして20万円前後のシステムコンポを買ってもらうという需要があった。だが、今の大学生や新入社員の多くは、オーディオの代わりにパソコンを購入する傾向が強い。
もちろん、オーディオ製品も高い人気を博している。しかし、かつては20万円前後が売れ筋となっていたものが、数年前からは売れ筋商品の価格帯が4万円程度にまで下落、価格競争からの脱皮が求められていた。
「もう一度、あの需要をオーディオメーカーとして生み出したい。いまのシェアを食い合うのではなく、新たな市場を拡大しなければ価格競争に陥るだけという危機感があった」(ケンウッド)という。
大学生に人気が高いノートパソコンを採用し、2月から3か月間で売り切るという進・入学商戦期を狙っている。また、20万円台後半でオーディオとパソコンが揃う価格設定とし、デザインも若者受けするものを採用するなど、ターゲットを新入社員、進・入学祝いの需要層に絞り込んだ。
異業種からの参入
だが、課題も少なくない。
パソコンショップに展示した際の違和感は、やはり際立っている。
「オーディオ部分は、販促用のツールだと思われてしまう可能性もある」(同社)として、POPのつくり方などにも気を配っている。また、オーディオ売り場では店員がパソコンに関する説明が可能かどうかといった点も問題だ。同様に、パソコン売り場においても、オーディオ機能の説明が十分にできるか、といった問題への裏返しでもある。
ケンウッドに加え、「PCエンターテイメント化計画」をキャッチフレーズに展開するオンキヨーは、販売促進用CD-ROMを制作して、これを店頭で配布している。パソコン売り場でも、オーディオに関する説明が行えるようにする作戦だ。
仕切り率や販促費用など、業界慣習の違いもクリアしなくてはならない。いわば、異業種からの参入となるオーディオメーカーの新たな挑戦は、始まったばかりだ。
オーディオメーカー各社がパソコン分野に続々と乗り出してきた。オンキヨーは、従来からのパソコン周辺機器としてのオーディオとパソコンとの接続環境をさらに進展、双方から互いの機能を利用できるようにしたほか、ソニーもオーディオ事業部門が「ビットプレイ」の名称で、パソコン機能を搭載したオーディオを投入した。なかでも、ケンウッドは、イーヤマとの提携により、自らパソコンを取り扱う形で本格的な市場参入を図る。ケンウッドの取り組みを中心に、オーディオメーカーの動きを探った。(大河原克行●取材/文)
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