その他
ソフト開発に必要なもの 精神論でなくPMを
2002/07/15 15:00
週刊BCN 2002年07月15日vol.949掲載
歴史を振り返ると、今となっては信じられない誤った認識がまかり通っていたことに驚く。第二次世界大戦後、米国を目の当たりにした人が、巨大な米国に蓄積された物資を見て、「これでは日本が勝てるはずはない」と感じたという逸話をよく聞く。戦時中にはその冷静な判断は下されなかった。逆に、「いつか神風が吹いて日本は勝つ」と信じられていた。もちろん、神風が吹くというのは科学的には根拠がない精神論であり、現代の我々はそれが間違いだと理解している。だが、果たして我々はこの過去の失敗を笑っていられるのだろうか。日常のビジネスで、根拠もなく「神風が吹くから大丈夫」と考えていないだろうか。
最近、話題になっている「プロジェクト・マネジメント(PM)」は、プロジェクトを合理的に進めるために、きちんと管理、コントロールを行っていこうとする手法である。
このためのツールである「マイクロソフト プロジェクト」は、ほかの同社製品に比べ著しく日本市場での売り上げが低いという。「当社のほかのソフトウェアの日本での出荷本数は、通常は米国の3分の1程度。しかしマイクロソフト プロジェクトだけはわずか20分の1から30分の1。欧州に比べても出荷本数が少ない」という、異例の商品だそうだ。
この原因についてマイクロソフトでは、「競合製品があるわけではなく、日本の市場性としか考えられない」と首をひねる。製品が売れない理由がこの言葉通りかどうかはともかく、日本ではプロジェクトを進めていく姿勢が曖昧で、第二次世界大戦を思い起こさせるような精神論で物事を乗り切ろうとする風潮があることは否めない。プロシードの西野弘社長は、「日本でプロジェクトマネージャーの資質を問うと、体力、気力という答えが返ってくる」という。この発言を聞くと多くの人が笑い話と受け取り、ニヤっとするようだが、それぞれわが身、自社ビジネスに当てはめるといまだ精神論で乗り切ろうとの考えがまかり通ってはいないだろうか。(三浦優子)
歴史を振り返ると、今となっては信じられない誤った認識がまかり通っていたことに驚く。第二次世界大戦後、米国を目の当たりにした人が、巨大な米国に蓄積された物資を見て、「これでは日本が勝てるはずはない」と感じたという逸話をよく聞く。戦時中にはその冷静な判断は下されなかった。逆に、「いつか神風が吹いて日本は勝つ」と信じられていた。もちろん、神風が吹くというのは科学的には根拠がない精神論であり、現代の我々はそれが間違いだと理解している。だが、果たして我々はこの過去の失敗を笑っていられるのだろうか。日常のビジネスで、根拠もなく「神風が吹くから大丈夫」と考えていないだろうか。
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