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12月1日、地上デジタル放送スタート NHKは70%がハイビジョンに
2003/12/01 15:00
週刊BCN 2003年12月01日vol.1017掲載
地上デジタル放送が12月1日にスタートした。すでに民放キー局、NHKは11月には試験電波を出し、問題の有無を確認済みだ。ただし、日本テレビ、テレビ朝日、テレビ東京については、新社屋移転、アナログ放送とデジタル放送双方の本格マスターシステムづくり、そして地上デジタル放送の本格マスターシステムをつくったものの、十分な試験ができず、12月1日には間に合わない情勢となっている。とりあえず、アナログ放送のアップコンバートで対応することになりそうだ。(小池正春(放送ジャーナリスト)●取材/文)
在京民放各局のコンテンツはこれから
■番組の高精細度化に対応
地上デジタル放送について、各局の戦略を眺めてみよう。
TBSは、メディア推進局デジタル放送企画部を中心に、編成、営業などの各部担当者を交えて対応を図っている。社内セミナーも2月から開催中。地上デジタル放送について、TBSの担当者は次のように話す。「当初は微弱電力でスタートする。したがって、見られる人は少ないだろう。体制が整う1年後には簡易マスターシステムから本格マスターシステムに移行し、見られるエリアも広がっていくので、そこからサービスを一層向上させていく」。
マルチチャンネルなどは行わず、ハイビジョン1チャンネルのみ。また、データ放送も番組非連動のニュースと天気予報のみ。双方向などは行わない。新たなサービスは本格マスターシステムになってから。サービスの特徴は、G帯(ゴールデンタイム)、P帯(プライムタイム)のHD(高精細度テレビ)化。特にドラマについては、緑山スタジオの5つはすべて完全HD対応となっており、1999年からすでにHD制作を開始している。
日本テレビの布陣は、氏家斉一郎会長を委員長とするデジタル放送委員会を頂点に、デジタル戦略委員会、地上デジタル連絡が担う。位置づけとしては、開局50周年を迎え、同時に東京・汐留(港区)に新社屋が完成したことから、インフラ部分の強みを生かしていく。具体的には、ニュース系の番組など1日約15時間はHD化される予定(来年まで延期)。
また、東京ドームのナイターはすべてハイビジョン化されることもポイント。データ放送については、ニュースと天気予報は番組非連動、番組連動型としては、ナイターと今年1月に実験済みの「箱根駅伝」が計画されている。
■本格的なデータ放送は04年から
フジテレビは、組織的な対応としては、地上デジタル推進室といった組織はあえて作らず、従来のコーポレート戦略室が中心となって準備を進めてきた。戦略、スタンスについては、基本的には他局と変わらない。編成については、G帯ドラマのHD化、「HEY!HEY!HEY!」など音楽番組のHD化を強化していく。マルチチャンネルについては、免許方針に沿って研究を続けている。インターネットとの連動に関しては、社内ではさまざまな議論がある。
テレビ朝日の特徴は日本テレビと同じく、新社屋でのスタートになることだ。つまり、スタジオを含めてHD化デジタル化が図られている(来年に完了)。報道・情報番組は必然的にHD番組が増える。P帯については「ニュースステーション」や「ミュージックステーション」のHD化が図られる。データ放送については、半年間は簡易データ放送(番組非連動のものが中心)。04年から番組連動を行う予定だ。
テレビ東京は、メディア開発局が営業放送システム、双方向、データ放送などに取り組んでいるほか、デジタル放送プロジェクトという社内横断的な組織もある。当面、HD化、データ放送に取り組む。
NHKは、統合企画室の中のデジタル推進部が中心となって地上デジタルに取り組んでいる。やはり、HD化については民放をしのぐ。全時間の70%、7時-24時の80%はフルスペックのハイビジョンとなる。
総合すると、ハイビジョン番組、データ放送、EPG(電子番組表)が当面の魅力になりそうだ。
地上デジタル放送が12月1日にスタートした。すでに民放キー局、NHKは11月には試験電波を出し、問題の有無を確認済みだ。ただし、日本テレビ、テレビ朝日、テレビ東京については、新社屋移転、アナログ放送とデジタル放送双方の本格マスターシステムづくり、そして地上デジタル放送の本格マスターシステムをつくったものの、十分な試験ができず、12月1日には間に合わない情勢となっている。とりあえず、アナログ放送のアップコンバートで対応することになりそうだ。(小池正春(放送ジャーナリスト)●取材/文)
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