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ブレードPC上陸 来年度10万台市場も
2004/09/20 21:12
週刊BCN 2004年09月20日vol.1056掲載
セキュリティ性に優れるブレードクライアントコンピュータ(ブレードPC)の新製品が、年内から年明けにかけて相次ぎ上陸する。パソコンからの個人情報漏えいなどを警戒する企業からの引き合いが多く、来年度(2005年4月-06年3月)の国内ブレードPCの総出荷台数は10万台規模に達する可能性が出てきた。セキュリティの高さや運用管理費を半減できるなどの利点も多く、今後、国内企業向けパソコン総出荷台数約700万台のうち、1-2割はブレードPCに置き換わるとの予測もある。
セキュリティ需要に応える
日本アイ・ビー・エム(日本IBM)と日立システムアンドサービス(日立システム)が年内をめどに米クリアキューブのブレードPC新製品の販売を始めるのに続き、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、年明けからの年度末商戦に間に合うタイミングでブレードPCを国内で初めて投入する。
日立システムは、来年度(06年3月期)3-5万台の受注を掲げ、日本IBMは来年度(05年12月期)までに数万台の販売を見込む。日本HPは、今年4月から米国で先行販売しているブレードPCについて「すでに数万台の引き合いがある」としており、国内においても発売後1年間で同等規模の販売を目指すものと見られる。大手ベンダー幹部は、「05年は本格普及が始まる“ブレードPC元年”となる。年間の国内総出荷台数は10万台規模に達する」と予測する。
ブレードPCは、パソコンの心臓部をブレード型の筐体に収め、サーバールームに格納する構造。パソコンの盗難などによる情報漏えいを物理的に阻止できる。セキュリティを重視する企業からの引き合いが多く、「銀行や保険会社、消費者金融、情報通信など、過去に情報漏えいを起こした業種のほとんどから引き合いが来ている」(日本IBMの森崎文博・FMS事業開発部FMコンサルティング企画推進担当)と購入意欲は旺盛だという。
日立システムでは、ブレードPCを中核にした総合セキュリティソリューションの整備を今年度(05年3月期)末までに進める。「単にパソコンとして販売すると値崩れが起きる」(日立システムの眞木正喜・執行役企画本部長)との懸念から、ブレードPCでは対応ができないノートパソコンからの情報漏えい対策も含めて、情報システム全体のセキュリティを高める総合ソリューションに仕立てることで価値創出を図る考えだ。
また、日本HPでは、これまで不具合対応やセキュリティのアップデートにかかる人件費を中心に「パソコン1台あたり年間50万円ほどの運用管理費を多くの企業が投じてきたが、これを半減できる」(日本HPの平松進也・パーソナルシステムズ事業統括デスクトップビジネス本部本部長)とし、サーバールームで一括管理するブレードPCのコスト削減力の強さを訴求していく方針。
販売単価で見ればブレードPCは1台20-30万円と、現行パソコンの2-3倍の高さだ。しかし、運用管理費の半減を達成すれば、単純に計算して3年間で75万円の削減となり、「初期導入コストを吸収しても余りある」(平松本部長)と自信を示す。高いセキュリティ性とコスト削減力が原動力となり、「3年後には企業向けのパソコン出荷台数のうち、1-2割がブレードPCに置き換わる」(同)と急ピッチでの普及を予測する。
外資系メーカーがブレードPCに力を入れる一方、国産メーカーは静観したままだ。NECは、「ブレードPCの開発予定はない」と慎重な姿勢を崩さない。また、販売店の間では、「今年度の企業向けパソコン販売は好調で、無理にブレードPCを売り込む必要はない」(関係者)と冷めた見方もある。
だが、パソコン需要の拡大や価格競争は、いずれ限界が来る。そうした時、付加価値が高いブレードPCは、パソコンビジネスの新たな収益を支える戦略商材に発展する可能性が高い。
セキュリティ性に優れるブレードクライアントコンピュータ(ブレードPC)の新製品が、年内から年明けにかけて相次ぎ上陸する。パソコンからの個人情報漏えいなどを警戒する企業からの引き合いが多く、来年度(2005年4月-06年3月)の国内ブレードPCの総出荷台数は10万台規模に達する可能性が出てきた。セキュリティの高さや運用管理費を半減できるなどの利点も多く、今後、国内企業向けパソコン総出荷台数約700万台のうち、1-2割はブレードPCに置き換わるとの予測もある。
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