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三洋電機、再建3か年計画が始動 覚悟と裏腹に理念が先行
2005/07/18 21:10
週刊BCN 2005年07月18日vol.1097掲載
2004年度(05年3月期)に1715億円の最終損失を計上した三洋電機が、07年度を最終年度とする新経営計画を発表、経営再建に着手した。経営最高会議を設置し、ディシジョンの透明性を確保する一方、「相当な痛みを覚悟しなければならない」(野中ともよ会長兼CEO)と、人員や事業に大なたを振るう決意も披露した。しかし、よって立つ理念は「Think GAIA(地球)」と崇高。利害が錯綜する場面が多いだけに、誰もが納得できる施策と結び付けられるかがカギになる。(山本雅則(大阪駐在)●取材/文)
実効性裏付ける施策示せるかがカギ
■「聖域やタブーは設けない」
4月8日に「野中ともよ会長兼CEO、井植敏雅社長兼COO」の新体制が決まった際、経営再建に向けた具体策は「改めて発表させていただく」(井植敏前会長)と、その中身に期待を抱かせた。野中会長自身、「私の会長(という役職)の前には改革特命委員会が付く」と思い切って踏み込む意欲をにじませた。
確かに、新経営計画は、第3の創業を掲げ、「地球に喜ばれる会社」を目指す「Think GAIA」に理念を求めた。地球環境やクリーンエネルギー、ゼロエミッション(廃棄物の排出ゼロ)、愛あふれる豊かな社会など、理念実現のためのプログラムも並ぶ。しかし、「野中色」は感じさせるものの、既存の事業のいずれもが、このプログラムの中に分類可能だ。
経営再建に「聖域やタブーは設けない」(野中会長兼CEO)というが、同時に各事業部門からの考えも十分に聞く方針を示している。各事業所を回ると、若手社員からの建設的な意見が湧き出してきているとも言うが、「自分たちの担当分野の存続を願うエゴ」とないまぜになってしまう危険性もある。
「(撤退する事業の選別は)05年度中には決めたい」(井植社長兼COO)との考えだが、現場は相当な混乱も予想される。
■事業再編の具体像は見えず
再建計画のなかで具体性があったのは、人員削減と有利子負債の圧縮。人員削減は、今年度国内で3800人を減らし、トータルでは国内8000人、海外6000人の1万4000人を削減する。また、野中会長兼CEOは、三洋にとってまさに「タブー」である希望退職導入の可能性も示唆した。製造子会社の鳥取三洋電機がある鳥取県庁では、「大きな産業がないだけに不安はあるが、産業構造を変えるチャンスかもしれない」と、やや自嘲気味の声も聞こえてくる。
一方の有利子負債6000億円削減については、事業売却や関係会社集約で4000億円、再建流動化や不動産売却で2000億円の計画。具体的な施策については言及がなく、検討の対象すら示さなかったが、「目標の過半を05年度中に実現したい」(古瀬洋一郎副社長)としている。有利子負債の削減については、これまでも検討しており、一部についてはメドが立っている様子がうかがえる。また、事業売却などでは、譲渡交渉や従業員の気持ちなど、不要な混乱を招かないようにと、好意的に解釈もできる。
しかし、人員削減も有利子負債の削減も、いずれも事業再編の姿が明確になってくるのが前提。これが明らかにならない限り、再建の「確からしさ」は判断できない。また、明らかになった姿によっては、唯一具体性をもっていた部分が吹き飛んでしまうこともあり得る。地球に喜ばれる以前に、株主や従業員、地元といったステークホルダー(企業の利害関係者)に喜ばれるよう、早期に事業再編の姿を示せるかがカギだ。
2004年度(05年3月期)に1715億円の最終損失を計上した三洋電機が、07年度を最終年度とする新経営計画を発表、経営再建に着手した。経営最高会議を設置し、ディシジョンの透明性を確保する一方、「相当な痛みを覚悟しなければならない」(野中ともよ会長兼CEO)と、人員や事業に大なたを振るう決意も披露した。しかし、よって立つ理念は「Think GAIA(地球)」と崇高。利害が錯綜する場面が多いだけに、誰もが納得できる施策と結び付けられるかがカギになる。(山本雅則(大阪駐在)●取材/文)
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