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マイクロソフトの「オープンバリュー」 リニューアル効果は選択肢の増加
2005/12/05 21:10
週刊BCN 2005年12月05日vol.1116掲載
マイクロソフトが今年10月からリニューアルした中小企業向けライセンスプログラム「オープンバリュー」の拡販に、ディストリビュータなど販売パートナーが苦戦を強いられている。
リニューアルでは、非永続使用権のライセンスプログラム「サブスクリプション」を新しく追加。同プログラムは、全社で導入することを条件とし、1年間の使用料金を1ライセンスあたり1万5500円に設定した。しかも、来年3月まで初年度の料金を7700円と通常の半額程度に下げた「ステップアップキャンペーン」を実施している。マイクロソフトにとっては、新プログラムの設置がリニューアルの売りの1つではある。
ところが、「オープンバリューの顧客企業は部門ごとで導入する傾向が高い」というのが各パートナー共通の意見。同プログラムが全社で導入しなければならないという条件付きであることが顧客数拡大の壁になっているという。しかも、全社導入を行う可能性が高いSOHOはパッケージを購入するケースが多い。
サブスクリプションが、ライセンス顧客数を増やせない無意味なプログラムになる危険性をはらんでいるというわけだ。
一方、マイクロソフトにとっては「ビジネスとして成り立ちつつある」(中谷智千ビジネスマーケティング戦略本部ビジネスマネジメント部ライセンシング&プライシンググループシニアマーケティングスペシャリスト)という。「何件かは契約がまとまっている」ためで、「引き合いについても予想以上。ライセンスに少なからず興味を持ち始めた企業が増えており、ポジティブに考えている」という。
同社ではライセンスを浸透させるために、会議システムの「ライブミーティング」を活用して12月9日にライセンスプログラム全体のセミナーを、12月16日にはオープンバリューを中心に各ライセンスプログラムの詳細なセミナーを、同社のホームページ上でリアルタイムに配信する計画。セミナー視聴者からの問い合わせにも迅速に対応する。「こうしたサポートの強化で、ライセンスのメリットをさらに訴えていく」としている。
確かに、現段階ではリニューアル開始から2か月程度しか経過していないこともあって、「顧客企業への説明が重要」というパートナーも多く、「顧客を獲得できる、できないは、まだ判断がつかない」のも事実。加えて、「サブスクリプションがメニューとして新しく追加されたという点で顧客企業にとって選択肢が増えたというメリットがある」(大塚商会の米田仁哉マーケティング本部テクニカルプロモーション部Microsoftグループ課長)や、「来年3月までのキャンペーンで低価格を前面に押し出したことで、顧客企業に営業をかけるためのきっかけになる」(丸紅インフォテックの国府健一ソフトカンパニー担当部長)などの声もあがっている。
ライセンスの導入社数を増やすには、販売パートナーが売りやすい環境をつくるための支援策の強化がカギとなる。
オープンバリューのサブスクリプションが低価格に設定されたことで、パートナーが顧客企業に対してライセンス販売のアプローチをかけやすい環境が整ったのは事実である。パートナーは、同プログラムをきっかけに全社導入という形でライセンスビジネスを拡大できる可能性はある。こうした点では、リニューアルの実施で広がった選択肢のなかから、顧客の望むメニューを販売するという効果は期待できるといえるだろう。 (佐相彰彦●取材/文)
マイクロソフトが今年10月からリニューアルした中小企業向けライセンスプログラム「オープンバリュー」の拡販に、ディストリビュータなど販売パートナーが苦戦を強いられている。
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