その他
富士通 IAサーバーで攻勢 出荷台数25%増を目標に
2006/07/17 21:10
週刊BCN 2006年07月17日vol.1146掲載
富士通(黒川博昭社長)は、IAサーバー(PCサーバー)「PRIMERGY(プライマジー)」の販売を強化する。今年度(2007年3月期)の日本国内での販売目標台数を昨年度に比べ約2万台増の9万5000台に設定、台数シェア17%の獲得を目指す。IAサーバー市場は昨年度2ケタの成長で、富士通の販売台数も伸びているが、他社に比べて伸び率は低い。今年度、市場全体で昨年度同等の伸び率が期待できることから、本格的にシェアを獲りにいく。昨年度比3倍のプロモーション費用を投じるなど販売施策を活発化させ上位3社を追撃する。
認知度向上へ販促費も3倍に
富士通のIAサーバーの国内出荷台数は昨年度(06年3月期)7万6500台。台数シェアは14.7%で4位(ノーク・リサーチ調べ)だった。一昨年度の販売台数は6万9900台で、約10%伸びたが、ノーク・リサーチの調べでは市場全体は17.1%伸びており、富士通の伸び率は全体に比べ低い。また、見込み数値では9万400台を予想していたため、大幅に計画数値を下回った。結果的に上位3社のNEC、デル、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)に水をあけられた。
富士通はサーバーのなかでハイエンドモデルに強くエントリー系IAサーバーには弱い課題がある。しかし、IAサーバーへの開発案件は増え続けている。今年度も市場全体の伸び率は、昨年度と同じく「およそ10%増は見込める」(野澤信之・プラットフォームソリューションセンタープロダクトマーケティング統括部統括部長代理)と予測。サーバー全体からみても、IAサーバーを軽視できない状況から、今年度の販売台数を昨年度比約25%増の9万5000台に設定、目標獲得シェアを17%とし昨年度以上の拡販施策に打って出ることにした。
具体的施策として、まず昨年度比3倍のプロモーション費用をIAサーバーの告知・認知活動に投じる。主にプライマジーの品質の高さや信頼性をアピールするための広告宣伝のために使う。新製品開発では、機能や処理能力などで差別化が難しいなか、富士通の独自色を出すため、オフィスのデスク上でも利用可能な世界最小サーバー「PRIMERGY コンパクトサーバー(仮称)」を今年度下期中に投入する予定だ。
販売チャネルでは、(1)富士通系販売会社への支援(2)独立系SIerとディストリビュータの富士通製品の取扱量増加(3)WEBでの直販による顧客開拓──の3分野を強化ポイントとして明確に位置づけた。
とくに、先月下旬からプライマジーの取り扱いを始めた直販サイト「WEB MART(ウェブ マート)」では、直接顧客にサーバーを販売するだけでなく、中小企業やSOHOの相談窓口としての仕掛けも用意し、「サーバーの販売だけに終わらないようにする。案件次第で代理店へ顧客を紹介してソリューション販売に結び付け、代理店のビジネス拡大にも貢献したい」(野澤統括部長代理)考えだ。ウェブマートで販売するプライマジーの販売台数は全体の5%程度で、今年度は3000台を見込んでいる。代理店支援では、このほか、サーバーだけでなくセキュリティソフトなどを組み合わせ顧客に提案しやすいようにした「かんたんソリューション」を昨秋に用意したが、このセット商品を代理店に広く認知させていく。また、中堅企業向けERPの戦略的新商品「GLOVIA smart(グロービア スマート)」の販売を今夏から開始。同ソフトを拡販することでハードプラットフォームであるプライマジーの販売にも結び付けていく。
ある調査会社幹部は、「富士通はこれまで利益重視で、薄利多売のIAサーバーを軽視してきた感がある。販売網が充実しソリューションにも強い富士通が、大型案件を獲得すればシェアを獲る可能性も十分にある」と分析する。
ただ、IAサーバー市場はトップのNEC、そのNECに肉薄するデルと日本HPも販売強化に余念がない。昨年度はこの上位3社が富士通など4位以下を突き放した格好。昨年度の勢いそのままで、上位3社が4位以下をさらに引き離し「IAサーバー3強時代」が到来するのか。シェア4位の富士通は今年度、勝負の年を迎える。
富士通(黒川博昭社長)は、IAサーバー(PCサーバー)「PRIMERGY(プライマジー)」の販売を強化する。今年度(2007年3月期)の日本国内での販売目標台数を昨年度に比べ約2万台増の9万5000台に設定、台数シェア17%の獲得を目指す。IAサーバー市場は昨年度2ケタの成長で、富士通の販売台数も伸びているが、他社に比べて伸び率は低い。今年度、市場全体で昨年度同等の伸び率が期待できることから、本格的にシェアを獲りにいく。昨年度比3倍のプロモーション費用を投じるなど販売施策を活発化させ上位3社を追撃する。
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