経営分析ソフト開発大手のビジネスオブジェクツ（ジョン・シュワルツCEO、本社米国、仏国）は、「ビジネスインテリジェンス（BI）2.0」の構想を明らかにした。

　SOA（サービス指向アーキテクチャ）などの業界標準の技術を駆使し、経営分析の元となるデータをより多くの業務システムから収集しようとする考え方だ。

　複数のシステムを効率よく連携させる“ウェブ2.0”の技術をBI分野に応用したものである。データの収集先が増えれば、BIツールのより多様で高度な活用が可能になる。

　近年ではSOAの接続口を標準で備えたERP（統合基幹業務システム）やCRM（顧客情報管理システム）などの業務パッケージソフトが増え、BIとの接続性が大幅に高まっている。

　パッケージソフトを活用するケースが多い欧米市場では、SOAを活用した“BI2.0”を推し進める環境が急速に整いつつあり、ビジネス拡大の原動力になっている。

　今年度第1四半期（2007年1－3月期）のグローバルでの売上高は、前年同期比20％増の約3億3400米ドル（約400億円）と好調で、「今後も同程度の成長を目指す」（シュワルツCEO）と、今後数年間は高い成長が見込めるとみている。

　しかし、急速な成長にシステムのつなぎ込みなどのSIが追いつかないなど課題も出てきている。BI2.0の構想の柱であるSOAなどを活用した効率のよいシステム連携手法の採用を推し進め、納入時のSIにかかる工数を削減。よりスムーズな拡販を目指す。

　一方、国内でのビジネスは欧米に比べて遅れ気味で、「内部統制の強化や個人情報保護など法制度への対応が優先されている」と、BIへの投資が先送りになるケースも出てきているという。法制度への対応が一通り完了すれば、BIへの投資が活発化するとみられており、「これから先がBIの本格的な普及フェーズになる」と同社では分析している。