その他
法人需要を囲い込め! あの手この手の通信各社
2008/04/14 14:53
週刊BCN 2008年04月14日vol.1231掲載
相次ぐ新規参入で群雄割拠の時代に突入している携帯電話市場。通信事業者各社は、いかに法人需要を取り込めるかに重点を置いている。加入者を獲得するカギは法人ニーズに直結した“ソリューション”提案だ。通話だけでなく、業務アプリケーションとの連動を実現するなど独自のサービス創出に力を注いでいる。
業務直結の“ソリューション”を提案
このほど携帯電話市場に新規参入したのはイー・モバイル。「無料通話」を前面に打ち出し、他社との比較で割安感をうたって加入者を増やす戦略をとっている。なかでも、法人市場に力を入れており、「確実にユーザーを獲得できる」(千本倖生会長兼CEO)と断言。昨年に開始したデータ通信料の定額制サービスが「予想以上に評判がよい」ことをその理由にあげている。同社は、「古い慣習にとらわれている通信業界を変えてみせる」と意気軒昂だ。
日本通信は、今年夏をめどに自社ブランド携帯電話の提供を開始する。法人向けに提供している「ケータイPC化サービス」の拡充が狙いだ。これまではNTTドコモブランドの携帯電話で提供していたが、「ニーズの多様化に対応するためには端末にも関与することが重要と判断した」(沢昭彦・バイスプレジデントセールス)としている。
既存の通信事業者もサービス拡充という点では積極的。KDDIは、このほど「マイクロソフトOutlook」を携帯電話で使えるSaaSサービスを提供開始した。ほかにも、6社のアプリケーションベンダーとアライアンスを組んでおり、SaaSサービスの拡充を図る。桑原康明・ソリューション事業統轄本部戦略企画部長は、「さまざまなベンダーとのパートナーシップを組み、アプリケーションサービスのラインアップを増やしたい」考えを示す。
SaaS形式での提供では、ソフトバンクグループが先陣を切っている。流通事業が主体のソフトバンクBBがセールスフォースのSaaSプラットフォームを担いでいることから、ソフトバンクモバイルのスマートフォンとの連動を進めている。中山五輪男・コマース&サービス統括SaaS事業推進部シニアコンサルティングマネージャは、「“モバイルSaaS”を切り口に法人需要をつかむ」と自信たっぷりだ。
NTTドコモでは、法人向け携帯電話管理システムを開発。現段階では、ユーザー企業への試験導入を進めているという。「ニーズに応じて商用化に踏み切る」(有田浩之・法人営業本部法人ビジネス戦略部技術戦略担当課長)としている。
PHSを提供するウィルコムでは、近く新しいモバイルコミュニケーション端末を市場投入する。マイクロソフトOSである「Vista」を搭載しているほか、インテルの最新CPUを採用。立石篤申・事業促進部長は、「パソコンと同じOSを搭載することで、サービスの幅が確実に広がる」とみている。
相次ぐ新規参入で群雄割拠の時代に突入している携帯電話市場。通信事業者各社は、いかに法人需要を取り込めるかに重点を置いている。加入者を獲得するカギは法人ニーズに直結した“ソリューション”提案だ。通話だけでなく、業務アプリケーションとの連動を実現するなど独自のサービス創出に力を注いでいる。
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