その他
米IBM “インフラ統合管理”の時代へ 「Pulse2008」でアピール
2008/06/02 14:53
週刊BCN 2008年06月02日vol.1237掲載
米IBMは、フロリダ州・オーランドで開催したサービスマネジメント関連のカンファレンス「Pulse2008」で、ITシステムや設備などを含めた企業のインフラを統合的に管理することの重要性を説いた。そこには「幅広い範囲をカバーすれば、“グリーンIT”など省電力化にもつながる」との意図がある。はたして、IBMの真の狙いは何か。(佐相彰彦●取材/文)
省電力化との関連性も
■顧客の課題を解決する
米IBMが掲げるサービスマネジメントとは、サーバーやストレージなどIT関連システムだけでなく、ファシリティや通信インフラを網羅した管理を行うコンセプト。
ソフトウェアグループのバイスプレジデントを務めるスティーブ・ミルズ氏は、「どのようにインフラ管理を行うべきかを、多くの顧客が課題に挙げている」と述べている。ユーザー企業のビジネスにおいては、ITオペレーションだけでなく、労務や一般リソースについても削減は必須だ。しかも、最近は省電力化も追求しなければならない。そのため、「(ITベンダーにとっても)サービスマネジメントビジネスの概念を根本的に変えることが重要だ」(同)としている。
こうした環境のもと、同社は運用管理ソフト「Tivoli」を中心に、EAM(エンタープライズ・アセット・マネジメント)ソフト「Maximo」やサービスプロバイダを対象としたソフトの「Netcool」などを含めた、統合的なサービスマネジメントの新技術や新製品を披露するカンファレンス「Pulse2008」を開催した。4000人以上の来場者を迎えた同カンファレンスは、サービスマネジメント関連では過去に例がないスケールで実施。連日行われた基調講演は、IBMの掲げるサービスマネジメントの方向性を聞き漏らすまいと、パートナー企業やユーザー企業から参加した人たちでごった返した。Tivoliの総責任者でもあるソフトウェアグループのアル・ゾラー・ゼネラル・マネージャーは、「サービス・デリバリーの新しい提供形態を伝えることができた」と成功を強調している。
■SOAとは“従兄弟”
また同カンファレンスではサービスマネジメントとSOAとの関連もアピール。グローバルコンサルティング・サービス・アンド・SOA担当のロバート・レブランク・ゼネラル・マネージャーは、「競合他社はレガシーシステムをSOA化することに必死だ。しかし、このようなシステム構築の仕方はサービスマネジメントの観点でいえば、別の問題を引き起こすことになる。古い考え方を捨て、SOAとサービスマネジメントを関連づけることが望ましい」としている。
ユーザー企業のシステム状況によっては、確かにレガシーシステムを徐々にSOA化することが適しているのかもしれない。しかし、あくまでもBPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)を策定したうえでレガシーシステムの全面リプレースの可否を判断しなければならないという。ユーザー企業によるビジネスモデル革新のなかで最も重要になってくることは、「サーバーやストレージといったコンピュータシステムだけを対象とせず、ファシリティなどの設備までも網羅したサービスマネジメント」という。このことから、サービスマネジメントとSOAの関連性を「まるで、“従兄弟”のようなもの」と、レブランク・ゼネラル・マネージャーはたとえている。
サービスマネジメントの領域を広げることで、IBMはトータル提供によるソフトウェアビジネスの大幅な拡大を狙っている。日本市場でTivoliを販売するディストリビュータやSIerには、ほかの製品にも目を向けてもらいたい意識もあるようだ。
米IBMは、フロリダ州・オーランドで開催したサービスマネジメント関連のカンファレンス「Pulse2008」で、ITシステムや設備などを含めた企業のインフラを統合的に管理することの重要性を説いた。そこには「幅広い範囲をカバーすれば、“グリーンIT”など省電力化にもつながる」との意図がある。はたして、IBMの真の狙いは何か。(佐相彰彦●取材/文)
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