その他
米IBM UC製品にテレフォニー追加 日本への売り込み本格化
2008/06/09 14:53
週刊BCN 2008年06月09日vol.1238掲載
米IBM(サミュエル・パルミサーノ会長社長兼CEO)は、ユニファイド・コミュニケーション(UC)事業を拡大する。今年度(2008年12月期)下期には、UCの主力製品であるリアルタイム・コラボレーション製品「Lotus Sametime(セイムタイム)」にテレフォニー機能を統合する。来日したUC事業の責任者、アキバ・サイディ・プログラムディレクターが明らかにした。日本ではさきごろ、NECと同分野で協業を開始。「ビジネスパートナーを広げる」(サイディ・ディレクター)と「Sametime」を日本でも本格的に売り込む考え。同社によると、同製品新規ユーザーの3割が以前マイクロソフト製品を利用していた。マイクロソフト製品の浸透度が高い日本市場でも需要が多いと目算しているようだ。(谷畑良胤(本紙編集長)●取材/文)
異機種混合PBXの環境でもOK 「Sametime」は、インスタント・メッセージング(IM)や在席情報、VoIP、ビデオ会議など各種機能を単一のインタフェースで統一し、ユーザーがリアルタイムにコミュニケーションできる。例えば、本社の企画部隊と遠隔地の開発部隊が連絡を取り合う場合、インターネットなどを介して複数人で情報交換できる。これにより出張費などの経費を削減することができるだけでなく、スピーディーな意思決定が可能となる。 「Sametime」の最大の特長は、他社のUC製品と異なり、旧PBX(構内交換機)やIP─PBXのマルチベンダー異機種混在環境でもバックエンドを変更せず利用できるところにある。米IBMのUC事業担当のアキバ・サイディ・プログラムディレクターは「SIerなどビジネスパートナーがユーザー企業に新たな付加価値を簡単に提供できる」とアピール。パートナーに新たな“武器”を与えることができると、日本での普及に向け日本ITベンダーに連携を呼び掛ける。 今年度下期には、現在の機能にテレフォニー製品「Unified Telephony」を追加する。この製品は複数の電話システムやアプリケーション通信を管理する機能をもつ。これにより、かかってきた電話を「Sametime」で処理できるほか、異なる携帯端末へ転送状況に応じた処理方法の変更が可能になる。サイディ・ディレクターは「PBXメーカーやその販売パートナーが、ユーザーに利用価値の高い統合的なユーザー環境を提供できる」と説明する。日本ではSaaS型展開か? 各種調査会社によると、世界のUC事業は2011年までに170億ドル(日本円で約1兆7500億円)に拡大するという。IBMと競合するマイクロソフトも「Sametime」と競合するWindowsシステム向けUC製品「Office Communication Server」をリリースした。米IBM推計によると、昨年中に「Sametime」を新規導入したユーザーの3分の1が、それまでマイクロソフトのメッセージングサーバーソフト「Microsoft Exchange」を社内利用していた。一方、世界でIBMのグループウェア「Lotus Notes」ユーザーのうち3-4割が「Sametime」を導入していたが、日本では1割程度とみられている。 このため、日本ではマイクロソフト製品からの移行やNotesユーザー向けに需要がありそうで「Notesのカスタマーセットなどを提供したり、技術提供をしてパートナーをリクルートする」として、日本での本格展開も近そうだ。今年1月からは、NECとUC領域で協業を開始。「Sametime」とNECのテレフォニーサーバーを連携させソリューション販売する国内初のベンダーとなった。このほかにも音声系製品を出すヤマハやポリコムなどサードパーティと提携しているが、NECとのアライアンスを契機にパートナーを拡大する。 今のところ日本では、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)向けに技術やマーケティング活動、案件発掘などを支援するパートナープログラム「Partner World Industry Networks(PWIN)」の仕組みの中でリクルート活動が始まると予想される。米IBMは昨年8月、Webプロバイダの米ウェブダイアログス社を買収した。同社の技術で「Sametime」にSaaS版を提供するビジネスモデルを追加する。日本ではSaaSなどを軸にISVなどへ「Sametime」が浸透することになるだろう。
米IBM(サミュエル・パルミサーノ会長社長兼CEO)は、ユニファイド・コミュニケーション(UC)事業を拡大する。今年度(2008年12月期)下期には、UCの主力製品であるリアルタイム・コラボレーション製品「Lotus Sametime(セイムタイム)」にテレフォニー機能を統合する。来日したUC事業の責任者、アキバ・サイディ・プログラムディレクターが明らかにした。日本ではさきごろ、NECと同分野で協業を開始。「ビジネスパートナーを広げる」(サイディ・ディレクター)と「Sametime」を日本でも本格的に売り込む考え。同社によると、同製品新規ユーザーの3割が以前マイクロソフト製品を利用していた。マイクロソフト製品の浸透度が高い日本市場でも需要が多いと目算しているようだ。(谷畑良胤(本紙編集長)●取材/文)
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