その他
ヘッドウォータース 人材難ものともせず 有能技術者の獲得に成功
2008/08/11 21:10
週刊BCN 2008年08月11日vol.1247掲載
ソフトの受託開発をメイン事業とする設立3年にも満たないベンチャー企業、ヘッドウォータースが一風変わった経営モデルで、ソフト技術者の人気を集めている。有能な技術者確保は、どのITベンダーも頭を悩ます問題。ところが、PR活動はほとんどしないにもかかわらず、同社には毎月60人ほどの入社希望者が訪れる。今年度入社の新卒採用者も約20人。約100人のソフト技術者を抱えるまでに成長した。知名度に乏しくビジネスモデルも新しくない。そんな企業が技術者の人気を集める理由は何か。そこには、「エンジニアを使い捨ての作業員にしない」という、意欲喚起に結びつく独自の経営哲学があった。
ここにこんなIT企業が…
ヘッドウォータースは、2005年に篠田庸介代表取締役が設立したスマートビジョンテクノロジーが前身。07年10月、現社名に変更した。前身会社からビジネスモデルは変わらず、ITベンダーから依頼を受けたソフトの開発がメイン。現在は航空会社向けシステム開発や複写機メーカー向けの組み込みソフト開発、インドの協力会社3社を活用したオフショア開発などを中心に展開する。
一般に受託開発のソフト技術者は過酷な労働環境を強いられ、顧客の要望に従って開発するので独自性を出しにくいため面白みに欠けるといわれる。優秀な技術者はユーザーと直接取引できる大手ITベンダーに入社し、受託開発企業は獲得しにくい。
そんな受託開発分野で事業展開するヘッドウォータースなのに、毎月60人程度の入社希望者がやってくる。「その大半は、大手のITベンダーからの転職者」(篠田代表取締役)という。現社員の離職率も約5%と、他のITベンダーの開発者に比べて低い。
ソフトエンジニアから支持される理由を篠田代表取締役は、「エンジニアに与える仕事が他社と違うため」と説明する。「日本のエンジニアは単なるソフトを開発する“作業員”になりがち。そうではなく、エンジニアをビジネスマンとして十分な権限を与える点が評価されているのではないか」とみている。
ヘッドウォータースはプロジェクトを獲得すると、責任者を公募。役職や年齢、社歴を問わずプレゼンテーションして認められれば、エンジニアの人選から開発管理、収支までをすべてコントロールできる権限が与えられる。「事業部長レベルの責任と権限を一般社員がすぐにもてるようになる仕組み」だ。現在プロジェクト責任者は11人。平均年齢は31-32歳という。なかには経験が浅い責任者もいるが、厳格なチェック体制があるため「不採算案件は1つもない」(篠田代表取締役)という。
この仕組みに魅力を感じた大手企業在籍の技術者が同社に転職。有能なエンジニアが集まるというわけだ。業績は今年度は10億円、再来年度は20億円の売り上げを見込む。開発人員は毎年50人ずつ増やす計画だ。大手ではなかなか実現しないベンチャーならではの人材活用法が奏功している。
ソフトの受託開発をメイン事業とする設立3年にも満たないベンチャー企業、ヘッドウォータースが一風変わった経営モデルで、ソフト技術者の人気を集めている。有能な技術者確保は、どのITベンダーも頭を悩ます問題。ところが、PR活動はほとんどしないにもかかわらず、同社には毎月60人ほどの入社希望者が訪れる。今年度入社の新卒採用者も約20人。約100人のソフト技術者を抱えるまでに成長した。知名度に乏しくビジネスモデルも新しくない。そんな企業が技術者の人気を集める理由は何か。そこには、「エンジニアを使い捨ての作業員にしない」という、意欲喚起に結びつく独自の経営哲学があった。
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