昨年12月、NTTグループと米マイクロソフトが協業した。その一環として、このほどNTTデータイントラマート(中山義人社長)とマイクロソフト(樋口泰行社長)の両社がワークフローソリューションを共同構築することとなった。イントラマート社とマイクロソフトはNTTが提供するSaaS基盤でのソリューション展開を視野に入れている。
SaaSでの展開も視野に

NTTデータイントラマートとマイクロソフト(の両社がワークフローソリューションで協力関係を結んだ。「intra-mart Microsoft Office連携ワークフロー」として、イントラマート社から販売し、両社がそれぞれ得意とする領域の既存マーケットに向けてクロスセリングを行う。
イントラマート社のパッケージ「intra-mart」はウェブシステムを短期に構築できる統合フレームワークで、現在までに2000社の導入実績を誇っている。今回提供を開始するソリューションでは、ワークフローモジュールとマイクロソフトのオフィスクライアント製品である情報共有基盤の「Microsoft Office SharePoint Server 2007」を連携させた。
内部統制強化や業務効率向上などでワークフローの需要は高まっている。これまで部門間で導入していたものが、グループ会社全体への導入に広がるなど、市場規模が拡大しているが、使い勝手などの面で企業で定着するのに時間がかかるという課題があった。
オフィス製品は使い慣れているユーザーが多いツールであることから、協業を発表する前にもマイクロソフトのオフィス製品とintra-martを連携する案件はいくつかあったという。協業により、前もって連携を実現した格好だ。
昨年12月にはNTTグループと米マイクロソフトが協業検討を発表。NTTの情報通信技術とマイクロソフトのアプリケーションを連携したサービスの実用化や、マイクロソフトがアプリケーションパートナーとして、NTTグループのSaaS基盤を使ったSaaS型ビジネスの事業化を検討するとしている。
今回の提携でもSaaSへの展開を視野に入れていると言及。「提携の取り組みを広げることで市場の拡大を図りたい」(NTTデータイントラマートの中山社長)という。
今年3月には、マイクロソフトとNTTデータはシステム基盤構築ソリューション「PRORIZE(プロライズ)」の製品にマイクロソフトのサーバーOS「Microsoft Windows Server 2008」を採用したソリューションの共同開発を行うと発表するなど、NTTグループ各社とマイクロソフトは協力関係を強めている。
マイクロソフトは今回、イントラマート社が得意とするリッチクライアント市場で手を組むことにより、同社が不得手な中堅・大手企業の市場でのシェア拡大を狙う意図があるようだ。(鍋島蓉子)