マイクロソフト(樋口泰行社長)が、「Windows 7」の拡販に向けて再度動き始めた。主に中小企業の新OSへの移行を促すために、メーカー8社と協力。ハード・ソフトメーカーが関連するソフトや、「Windows 7」搭載PCを値下げして販売する体制を整えた。また、移行支援ツールも無償提供するなど矢継ぎ早の拡販策を繰り出す。一般的に法人ユーザーは「新OSの導入は、リリースから約半年間は様子見」といわれる。マイクロソフトは法人ユーザーの準備期間が終わったとみて、攻勢をかけ始めたわけだ。しかし、どの程度のインパクトがあるかは未知数の面がある。
多くの企業が新年度を迎える4月1日、マイクロソフトは「Windows 7」の拡販施策を二つ用意した。一つは、ハード・ソフトメーカー8社と組んだ戦略で、移行ソフトと「Windows 7」搭載PCを値下げして、各メーカーが販売する体制を整えたことだ。値下げ率や特典はメーカーによって異なるが、ソフトであれば10~25%、搭載PCであれば5000円のキャッシュバックや10%OFFのクーポン提供などがある。そして、もう一つが移行ツールの無償提供。専用Webサイトで、5分程度の簡単な質問に回答すると、PC環境の問題点や課題を解決した場合のコスト削減効果などが分かるツールを、6月30日まで公開する。
企業の新OS導入の流れは、一般的に、発売から約半年経ってからが本番といわれる。新OSの評価やアプリケーションの対応にかける期間が約6か月で、企業は地ならしを終えてから新OSに切り替える。マイクロソフトは、ユーザー企業のその準備期間が終わったとみて、新施策を打ったと推測できる。今回の施策はいずれもターゲットは中小企業。大企業に加え、規模の小さい事業者にも拡販できる時期に入ったとみている。
ただ、この時期に「Windows 7」が大量導入されるかどうかは未知数だ。企業のなかで多く稼働する「Windows XP」のサポート切れが需要を生むといわれるが、直近の2010年7月13日時点でサポートが切れるのは「SP2」で、「SP3」は2014年までサポートが継続されている。サポート切れが特需を生む理由にはならない公算が大きい。
準備期間が終わって拡販期に入ったという見解については、中堅・中小企業(SMB)市場に強い富士通ビジネスシステム(FJB)ではこうコメントしている。「ユーザー企業の『Windows 7』に対する関心は高く、ビジネスチャンスを感じている。ただ、それ(需要が強まる時期)が今かといえば、何とも判断できない。対応するアプリが少ないことや、ブラウザ『Internet Explorer 8』の導入に二の足を踏んでいるケースもある」。メーカーの攻勢姿勢とは、多少の温度差がある。
「Windows 7」への移行が進むのは間違いない。ただ、それが一気に進むのが現時点かといえば、不透明なところがある。本格的な需要期はもう少し先なのかもしれない。(木村剛士)

樋口泰行社長は発売日には強気で優位性を主張していた