インターネットサービス「Ameba」の会員数が2010年7月に1000万人を突破し、著しい成長を続けているサイバーエージェント(藤田晋社長)。社員数の急増に伴い、これまで数回にわたって、オフィスをフロアごと拡大しなければならなかった。そのたびに悩んだのが、手間がかかる社内ネットワーク構成の変更作業だ。次のフロア拡張を目の前に控えて、09年末、柔軟なネットワーク設計ができるジュニパーネットワークスのイーサネットスイッチを導入した。
サイバーエージェント
会社概要:1998年3月に設立。ブログサービス「アメーバブログ」を提供する「Ameba」をはじめとしたインターネットメディア事業のほか、インターネット広告代理事業や投資育成事業などを展開している。
製品提供会社:日商エレクトロニクス
製品名:ジュニパーネットワークス イーサネットスイッチ「EX4200」
EX4200によるネットワーク構成
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| 人事本部ワークプレイスクリエイトチームの安在亮シニアスタッフ。「即断即決をせざるを得なかった」と語る |
サイバーエージェントは、現在、グループ全体で約2000人の従業員を擁している。毎年、新卒者を100人規模で採用し、中途採用も積極的に行っており、従業員数は増加の一途をたどってきた。人事本部ワークプレイスクリエイトチームの安在亮シニアスタッフは、「社員の急増に伴って、これまでオフィスのスペース拡張を頻繁に行ってきた。フロア拡張が2か月ごとというケースも珍しくない」と、会社の急成長ぶりを語る。
オフィス拡張の際にネックとなるのは、社内ネットワーク(NW)構成の変更作業だ。2009年の秋、東京・渋谷駅の近所にある渋谷マークシティの23階をオフィス設立のために借り上げた際、安在シニアスタッフはある決断をした。ネットワーク構成の変更作業が楽になるハードウェアを導入しようと考えたのだ。選んだのは、ジュニパーネットワークスのイーサネットスイッチ「EX4200」である。
「EX4200」を提案したのは、2007年からサイバーエージェントのネットワーク構築を手がけているネットワークインテグレータ(NIer)の日商エレクトロニクスだった。同社でシステムエンジニア(SE)を務めるソリューションパートナ事業本部技術統括部の高橋英佑氏は、サイバーエージェントが成長し続けることを考慮して、安定性と拡張性にすぐれるジュニパーネットワークスの製品に着目した。バーチャルシャーシの技術を採用した「EX4200」は、各フロアのネットワークを仮想化することによってフロア間のアップリンク数を減らし、柔軟なネットワークが設計できる環境を実現している。同じく日商エレのソリューションパートナ事業本部営業統括部・鈴木純一氏は、「当社は10年以上もジュニパーを取り扱っているので、安定性と拡張性について自信をもって提案することができた」と話す。

安定性と拡張性を考慮して「EX4200」を提案したソリューションパートナ事業本部営業統括部の高橋英佑氏(左)と同技術統括部の鈴木純一氏
提案から導入までのプロセスはおよそ2か月と、比較的スピーディだった。安在シニアスタッフは、「フロアを借りることが決まって、システム再構築の作業を進めなければならないので、即断せざるを得なかった」という事情から、急ピッチで導入を決めた。しかし、ジュニパーネットワークスの製品は初めてということもあって、「提案を受けた当初は、問題なく運用できるかどうかが不安だった」と振り返る。そんな不安を解消するために、日商エレクトロニクスはサイバーエージェントの運用スタッフを技術センターに招き、1日研修を行った。その研修では実機に触る機会も設けた。安在シニアスタッフは、「日商エレクトロニクスからは充実したバックアップを受けたので、安心して導入を決断した」という。
安在シニアスタッフは「最近は、社員が仕事で使うスマートフォンなど、無線でネットワークに接続するデバイスがどんどん増えているので、社内ネットワークを強化する必要がある」とみており、今後もネットワーク機器の導入を検討していく。「社内ネットワークが遅いと、社員がすぐにTwitterでつぶやくので、プレッシャーが大きい」と苦笑する。(ゼンフ ミシャ)
3つのpoint
・ネットワーク構成を柔軟に変更できる
・ネットワークを容易に拡張できる
・管理者の人的リソースを有効に活用できる