データバックアップ事業のアクロニス・ジャパン(村上督代表取締役)はこのほど、販売パートナー戦略を一新した。これまで同社のマスターディストリビュータであったラネクシーとの契約を解除して、新たにソフトバンクBB、ダイワボウ情報システム、ネットワールドの3社と販売代理店契約を締結。これによって、地域の開拓と、バックアップをソリューションの一部として提供する施策を強化していく。
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村上督 代表取締役 |
イメージのバックアップを得意とするアクロニス・ジャパン(本社=米国)は、「売り上げを昨年以上に大幅に拡大する」(村上督代表取締役)として、ここにきて、バックアップ市場での存在感を強めている。村上代表取締役は、東日本大震災によってバックアップ市場が盛り上がってきたことを受けて、「今後、世界での売上構成比を上げていきたい」として、事業拡大を加速化していく。
事業拡大のカギを握るのは、販売パートナー戦略だ。アクロニス・ジャパンは、これまでパッケージソフトを法人・個人向けに提供するラネクシー1社に販社を限定してきたが、この体制では、地域の市場にリーチできなかったり、バックアップ単品での販売に限界がみえるなど、事業拡大を妨げる複数の課題を抱えていた。
村上代表取締役は、今回、ソフトバンクBB、ネットワールド、ダイワボウ情報システムの3社と販売代理店契約を締結した狙いを次のように語った。
ソフトバンクBBは、2次販売店と密接な関係を築いており、ソリューション展開に強い。ソフトバンクBBをボリュームリセラーとして、バックアップをサーバーなどとバンドルしたかたちで展開していく。また、ネットワールドは、システムインテグレータ(SIer)とのパイプを太くしており、こちらも、バックアップをソリューションに統合して販売するパートナーとして位置づけられている。一方で、ダイワボウ情報システムは、地方をはじめとして日本全国での展開を得意としていることから、ダイワボウ情報システムを通じて、地方の市場開拓を目指していく考えだ。
村上代表取締役は、「ここ数か月、ライセンスを更新するユーザー企業が増えていることに加え、毎月、400~500の新規ユーザーを獲得するなど、当社の事業拡大の基盤が整ってきている」と自信をみせる。今後は、新しい販売パートナーの3社との関係を深めながら、「1次販売店を介したコアビジネスを補完するかたちで、流通のルールを守りながら、2次販売店との関わりをもちたい」(村上代表取締役)としている。(ゼンフ ミシャ)