ソーシャルゲームの開発・運営を事業とするHoolai Game(互愛[北京]科技有限公司、黄建社長)は、ビジネス領域をアジア各国へ拡大することに取り組んでいる。その一環として、ゲームを配信するインフラ基盤の強化を図り、今年7月、フリービットのクラウドインフラサービス「VDC China Package」の導入を決めた。フリービットにとって、Hoolai Gameは中国で初のユーザー企業となる。
互愛(北京)科技有限公司
会社概要:2008年、中国・北京に設立。ウェブ上で配信するソーシャルゲームの開発と運営を手がけている。中国をはじめ、台湾や韓国、日本などアジア各国で事業展開する。社員数(2011年9月現在)は約200人。
サービス提供会社:フリービット
プロダクト名:「フリービットクラウド VDC China Package」
「VDC China Package」の概要
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| フリービット クラウドインフラ営業部の渡辺浩志ジェネラルマネージャー。「中国でクラウドサービスの展開に注力する」と語る |
Hoolai Gameの設立は2008年。中国のソーシャルゲームが黎明期を迎えていた時期だ。設立から現在までのわずか3年の間に、オンラインで他人とのインタラクションを楽しむソーシャルゲームのユーザーが飛躍的に増え、中国のソーシャルゲーム市場が急速に拡大。それにつれて、Hoolai Gameは著しい成長ぶりを示してきた。現在、戦闘策略系ゲーム「HOOLAI三国」など、同社のソーシャルゲームを利用するユーザー数は1億人を超えているそうだ。
同社は、このところアジア各国への展開に力を注いでおり、台湾や韓国など、新規市場への参入を相次いで果たしている。次にチャレンジするのは日本。9月末に日本拠点をつくり、事業活動に本腰を入れ始めている。
Hoolai Gameは中国国内と日本を含めた海外での事業拡大にあたって、ソーシャルゲームを配信するインフラ基盤の強化を課題としていた。黄建社長は、「継続的にビジネスを伸ばしていくためには、柔軟に拡大することができるインフラストラクチャが必要不可欠」として、フリービットとアマゾンの2社のクラウド型インフラサービスの採用を検討した。黄社長は、「技術面からみれば、両社とも当社に適切なサービスを提供することができるとの判断に至った。最終的にフリービットの『VDC China Package』の採用を決断したのは、サービス/サポート面がポイントになった」と語る。
フリービットは年内に香港に仮想データセンター(DC)の開設を予定しており、Hoolai Gameにとって、今後、アジアの中心にある仮想DCを利用することができるのがメリットとなる。さらに、管理コンソールやマニュアルなどを中国語で用意し、また中国国内にコールセンターを設けて中国語対応ができるサポート体制を整えている。「フリービットは中国企業に向けたサービス/サポートが充実している」(黄社長)ことを踏まえて、グローバル大手のアマゾンではなく、フリービットのソリューションの導入を決めたわけだ。

Hoolai Gameの黄建社長(中央)、フリービットの石田宏樹社長(右)、Hoolai Gameの暙箭日本事業部部長
Hoolai Gameは、インフラ基盤をできるだけ早く強化する必要があったことから、およそ1か月という短時間で「VDC China Package」を導入し、システムの稼働にこぎ着けた。現時点では、日中間専用回線を介して、中国本社から直接にリモートメンテナンスができるフリービットの東京DCを使っているが、香港に新DCがオープンすれば、香港を合わせてDC拠点として利用する方針だ。黄社長は、日本にとどまらず、アジア各国への横展開を狙い、「そのために、長期的にフリービットとパートナーシップを築きたい」と意気込みを示す。
Hoolai Gameは、フリービットにとって、中国で「VDC China Package」の初のユーザー企業だ。フリービットのクラウドインフラ営業部の渡辺浩志ジェネラルマネージャーは、「今回、導入を決めていただいたのは、当社が数年前からに中国ビジネスに力を入れてきた成果だ」と捉えている。今後、Hoolai Gameの導入事例を出発点として、中国でのクラウドサービス展開に力を注ぐ。(ゼンフ ミシャ)
3つのpoint
・ビジネス拡大に柔軟に対応できること
・年内に香港DCを開設する予定があること
・中国語でのサポートが充実していること