その他
フリービット、事業の重点を中国へ 都市と家庭の「M2M」市場を開拓
2011/07/07 14:53
週刊BCN 2011年07月04日vol.1389掲載
「5年後に、本社を中国に移す。向こうから物事をみて判断する必要があるからだ」──。インターネットサービスプロバイダ(ISP)へのブロードバンドインフラの提供など、複数の事業を手がけるフリービットの石田宏樹社長は、中国での事業展開にとどまらず、中国をベースにしたかたちで、アジアや南米の高成長市場を開拓することに強い意欲を示している。日本で上場しており、現時点では売り上げの大半を日本で稼いでいる同社だが、今後の成長を目指してビジネスの重点を中国へシフトしようとしている。
フリービットは、中国での事業計画の本格化に向けて、2010年度(11年4月期)に、大がかりな組織再編に取り組んできた。昨年度、元グループ会社のギルドコーポレーションが携わるアパレル事業をはじめ、コアビジネスでない事業をすべて切り離して、今後は「次世代インターネット/ユビキタスインフラ」「インターネットマーケティングインフラ」「クラウドコンピューティングインフラ」「ブロードバンドインフラ」の4分野に集中していく体制を整えている。同社はこの四つの分野に絞り込み、日本はもちろん、中国においても積極的にビジネスを展開していく構えだ。 フリービットが中国をどれほど重視していくかは、数字からも分かる。同社の11年度の売上高見通しは約205億円で、12年度は、260億~280億円を目標に掲げている。石田社長は、「2012年度に中国での売り上げとして約20億円を目指す」と意気込みを示す。成長を確実なものにするには、中国での事業展開が不可欠というわけだ。 中国でビジネスを展開するにあたっては、マシン同士がネットワークを介して通信し合う「M2M(Machine to Machine)」のインフラ提供をポテンシャルの大きい事業とにらんでいる。今年5月に、フリービットと、中国BIIとの合弁会社であるFBIIが、M2Mの重点指定都市、江蘇省無錫市の通信事業を担当し、中国の大手ブロードバンドプロバイダであるチャイナ・テレコムの無錫支社と戦略的パートナーシップを組んだ。石田社長はこの提携を、「今後の事業展開に向けての非常に重要なステップ」と位置づけている。さらに、「中国では、毎年、新しいスマートシティができる」として、来年以降、M2M関連の事業を中国各地に横展開させていくことを検討している。 中国では、都市を相手にしてM2M事業を公共案件レベルで展開することは、政府による規制や要求が厳しく、利益率が比較的低い。フリービットは、中国での合弁会社やパートナー企業を通じて、都市向け事業展開に加え、一般家庭でユビキタス社会を実現するインフラ構築やデバイス開発に注力していくという。石田社長は、中国でのビジネス拡大を狙い、鼻息が荒い。(ゼンフ ミシャ)
「5年後に、本社を中国に移す。向こうから物事をみて判断する必要があるからだ」──。インターネットサービスプロバイダ(ISP)へのブロードバンドインフラの提供など、複数の事業を手がけるフリービットの石田宏樹社長は、中国での事業展開にとどまらず、中国をベースにしたかたちで、アジアや南米の高成長市場を開拓することに強い意欲を示している。日本で上場しており、現時点では売り上げの大半を日本で稼いでいる同社だが、今後の成長を目指してビジネスの重点を中国へシフトしようとしている。
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