西日本最大級のIT展示会である「ひろしまIT総合展2011 EXPO Hiroshima,IT's a Solution」(広島県、広島市、ひろしま産業振興機構など後援)が、10月26日から3日間、広島市内の県立広島産業会館と市南区民文化センターで開かれる。今回は「クラウドを超えたITの未来へ」と題し、地域で活躍するITベンダーと全国展開する大手ITベンダーが一堂に会し、先進的なIT製品・サービスの展示や、セミナーでの紹介を行う。展示は、前回を大幅に上回る146ブース/118社が出展。基調講演では日本マイクロソフトの樋口泰行社長がスマートデバイスを活用したワークスタイルの変革について語る。(取材・文/谷畑良胤)
クラウド、スマホ、ソーシャルが主軸に 
メイン会場となる広島県立広島産業会館
過去最大の146ブースが出展
「ひろしまIT総合展2011」は、広島県情報産業協会(内海良夫会長=データホライゾン代表取締役)が主体となり、1987年に「コンピュータ&ネットワークEXPO」と題して隔年で開催してきた。今回は13回目。「まったく新しいコンセプトで、このイベントを開催する」(有馬猛夫・運営委員長=ネクストビジョン社長)と、今回から名称を変更した。また、広島県内のITベンチャー発掘を目的とした「第15回 HiBiSインターネットビジネスフォーラム」を同時開催する。

前回の展示会場も大勢の来場者で賑わった
毎年、時代に応じたIT業界の著名人を招聘しているが、第一回はソフトバンクの孫正義社長が登壇。前回の2009年は、グーグル日本法人の村上憲郎社長(当時)が基調講演を行った。今回は、日本マイクロソフトの樋口社長が「スマートデバイスとクラウドの活用によるワークスタイルの変革」と題し、「Windows Phone」などモバイル端末とクラウドを融合させた業務改革の方法について提言する予定だ。
前回の出展ブース数は108だったが、今回は146に拡大し、過去最大になった。来場者は、広島県を中心とした中国・四国地方のITベンダーなど西日本のITベンダーを主体に、ユーザー企業も想定する。今回の入場者数は、1万5000人を予定している。展示場は、テーマ別に「総合ITソリューション」「クラウドコンピューティング&Webソリューション」「スマートフォン&モバイルソリューション」「情報セキュリティ&組み込みソリューション」「グリーンIT&省エネソリューション」「公共&アカデミック」の六つの展示ゾーンに分け、IT製品・サービスを紹介する。
セミナー関係では、オープニングセミナーでセールスフォース・ドットコムの榎隆司・執行役員が「ソーシャルで変わるビジネス」と題して話すほか、13の講演セミナーと22コースの多彩なプレゼンテーションセミナーを実施する。セミナーのうち、「マネージメントセミナー」では、日本Androidの会の丸山不二夫会長(早稲田大学大学院客員教授)がクラウドとクラウドデバイスについて、また経済産業省情報経済課の猪熊洋輔氏がスマートグリッド/スマートコミュニティにおけるビジネスチャンスを語るなど、新時代に向けたIT技術を解説。「テクニカルセミナー」では、地元の製造業であるマツダの岡村一徳・エンジニアリングシステム部長が自動車とIT技術の将来を展望するほか、Facebookの活用方法やスマートフォンを企業システムに利用する方法などを紹介する。

展示会場の特設ステージで行われるオープニングセミナーの様子(前回のもの)
広島発ベンチャーのプレゼンも実施
一方、併設の「第15回 HiBiSインターネットビジネスフォーラム」では、広島県内の6社が「優秀インターネットビジネスプラン」のプレゼンテーションを実施。発表内容を審査のうえ、最優秀ビジネス事例を選定する。厳正な審査を経てプレゼンするのは、グリーンテクノロジー、テレファーム、デジタライズ、アフロフェアーインターネット、クレオフーガ、中国新聞社の6社だ。広島県情報産業協会の特別委員会で産・官・学連携による最新インターネット技術の研究・実験・活用を実践的に実施し、広島発のインターネットビジネスの発展を応援する目的で行われる。
有馬・運営委員長は「今回は、クラウド、スマートフォン、ソーシャルメディアの三つの要素で展示・セミナーともに見所が満載だ。広島県にとどまらず、西日本を中心に全国の最新製品・サービスが勢揃いするので、広島まで足を運んでほしい」と、来場を呼びかけている。