樋口社長は、経済が転換期を迎えているいま、からだを動かして海外に出向いて培う「世界目線」や「戦闘意欲」、また、情報システムに「人」が歩み寄るスピードや、ビジネスプロセスの改革を両輪で回す「近代化」が必要だとして、「『グローバル競争力』と『日本の持ち味』のコンビネーションを図ることが重要だ」と説いた。
日本マイクロソフトの樋口泰行社長
「いま求められているITは『ビジネスをリードするIT』、例えば組織を越えて柔軟に広げることができる『オープンで拡張性の高いIT』だ。オンプレミスからクラウドへ、PCからマルチ・デバイスへと潮流は変化し、進化している。スマートフォンは、個人のからだの一部、ライフスタイルそのものになる可能性がある。個人所有のデバイスを会社に持ち込んで、企業ITとつなぐことで、ワークスタイルに取り入れて生産性を高める『コンシューマライゼーションIT』が進みつつある」とキーワードを示した。
そして、この「コンシューマライゼーションIT」を実現するには、「企業のITシステムとの親和性や、デバイスからクラウドまでをどうつなぐかを視野に入れて考える必要がある。連携性や移行性、管理性、オープン性、開発生産性の向上などが求められている」とした。
最後に、樋口社長は「マイクロソフトはデバイスからクラウドまで、総合力で対応できる。ビジネスとコンシューマの両方をもつメリットが、今後の『コンシューマライゼーションIT』で生きてくる」と、日本マイクロソフトの優位性を挙げながら講演を締めくくった。(鍋島蓉子)