広告や販促物の制作事業などを手がける従業員20人ほどのクオーターバック(中島セイジ代表取締役)は、2011年7月に日本マイクロソフト(樋口泰行社長)のクラウドサービス「Office 365」を導入した。その最大の理由は、オフィススペースの改造だった。窮屈になっていたオフィスに自由空間をつくるために、クラウドを活用することを決めた。
クオーターバック
会社概要:広告や販促物の制作が主な事業で、そのほか映像やイベントの企画・運営ビジネスも手がける。創業社長の中島セイジ氏は、経営戦略の立案・推進に関連する講演活動や書籍執筆も行っている。
システム提供会社:ダンクソフト、日本マイクロソフト
サービス名:クラウドサービス「Office 365」
Office 365がもつ主な機能

クオーターバックのオフィス。手前はオフィス改造で捻出できたフリーの打ち合わせスペース
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クオーターバック 中島セイジ代表取締役 |
クオーターバックは、広告や販促物の企画・制作を主に手がける企業で、中島セイジ代表取締役が1985年に設立した。およそ10年ほど前から今のオフィスに本社を構え、20人ほどの従業員が仕事をこなしている。ITの利用状況は、小規模オフィス向けの業務ソフトを利用して会計・人事・給与業務を行い、サイボウズ製のグループウェアで情報を共有。スタッフが使うパソコンは、広告・販促会社だけにMacとWindowsが混在している。一般的な中小規模オフィスと変わっているのは、Macが多いことくらいで、標準的なIT環境だ。
「Office 365」を導入する以前、クオーターバックが抱えていた悩みは、「窮屈になってきたオフィスの改善、有効活用だった」(中島代表取締役)。広告や販促物の制作過程では、複数のスタッフが突発的に打ち合わせしたり、大判のポスターなどを広げてチェックしたりといった作業が頻繁にあるという。机がずらりと並び、「会議室がいくつかあるような一般的なオフィスでは仕事がしにくく、フリースペースを必要としていた」(同)という事情がある。
そんな課題を解決するために相談をもちかけたのが、5年ほど前から親交があるダンクソフトの星野晃一郎代表取締役だった。ダンクソフトは、主に日本マイクロソフト製品を活用したITソリューションを提供する企業。とはいっても、クオーターバックとダンクソフトは、ITで顧客と販売会社としてつき合ったことは、「Office 365」の導入以前は一度もなかった。中島氏は、星野氏が独自の空間デザインとIT導入によって自社のオフィス環境を改善し、「40%ほどの自由な空間をつくり上げた」(星野氏)ことを知って相談したのだ。
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ダンクソフト 星野晃一郎 代表取締役CEO |
星野氏は、オフィスのフリースペースをつくるための有効的な手段として、今年7月1日から取り扱いを開始した「Office 365」の導入を提案。クラウドを利用することでサーバールームを省いたり、どこでも仕事ができる環境をつくったりできるので、スペースの有効活用に役立つと考えた。中島氏は、「Office 365」はもちろん、クラウドに関心ももっていなかったが、フリースペースの捻出のために導入を決めた。
クオーターバックは、ダンクソフトの提案を受け入れてオフィスを改造。その結果、ダンクソフトと同様に、約40%の自由なスペースを生み出すことに成功した。加えて、「Office 365」の情報共有機能を活用することなどで、ペーパーレス化が進み、「毎月30万円程度はかかっていたコピーのカウンター料金を、2~3割削減することができた」(中島氏)という。
クオーターバックが求めていたのはITではなく、オフィスの改善。「Office 365」はあくまで副次的な存在にすぎなかった。ただ、導入がオフィスの有効活用に寄与したほか、今後は、「『Office 365』には使えそうな機能が複数ある。ウェブ会議システムなどを使って、モバイルワークスタイルを推進したい」(中島代表取締役)というような考えをもつようになった。これまでまったく興味がなかったクラウドの利用価値や可能性を感じているのだ。ITをそのまま提案するのではなく、+αにITを提案して受け入れられ、そのメリットをユーザーが享受している。(木村剛士)
3つのpoint
・「Office 365」が装備する豊富な機能
・月額料金で初期コストを抑制
・信頼するパートナーからの提案