通販事業のメディアワークス・ブルーム(竹田成克代表取締役)は、日本マイクロソフト(樋口泰行社長)が6月29日に発売したクラウドサービス「Office 365」を導入した。業務の効率化と情報共有の促進、迅速な経営判断を行う目的で、メディアワークス・ブルームは、パイロットユーザーとして正式発売前の1か月前に導入した。同社の竹田代表取締役は、まだ利用して間もないこのクラウドサービスを高く評価している。
メディアワークス・ブルーム
会社概要:設立は1991年。カタログやウェブサイト、テレビなど複数のメディアを活用した通信販売事業を手がけている。本社は東京で、千葉県市川市と鴨川市に二つの物流倉庫をもつ。
システム提供会社:日本マイクロソフト
サービス名:クラウドサービス「Microsoft Office 365」
「Microsoft Office 365」の概要
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メディアワークス・ブルーム 竹田成克代表取締役 |
メディアワークス・ブルームは、テレビやカタログ、ウェブサイトなどの複数のメディアを活用した通信販売事業を営むベンチャー企業だ。同社は、日本マイクロソフトが満を持して投入したクラウドサービス「Microsoft Office 365」を導入した。
「Microsoft Office 365」は、仕事に必要な複数のアプリケーションサービスを組み合わせたクラウドである。メールやグループウェア、ウェブ会議などが可能で、ビジネス文書・ファイル作成や情報共有、コミュニケーションなどの機能を備える。日本マイクロソフトは、「Office 365」を発売する以前にも類似するクラウドを提供していた。それと大きく異なるのは、オンライン版の「Office」がサービス内容に含まれていることだ。価格も戦略的で、最も安価なメニューであれば1クライアント月額600円。この安さも注目されている。
メディアワークス・ブルームは、正式版発売のおよそ1か月前に「Office 365」を導入した。パソコンには「Office」が入っており、メールやグループウェアなどの情報共有・コミュニケーションツールは当然ながら使ってはいたが、それぞれがバラバラに存在し、非効率な面があったという。そのネックを解消するというのが、「Office 365」の導入を決めた理由だ。
「Office 365」はクラウドなので、ハードウェアの購入やSI作業は必要ない。ただ、設定や操作方法については、日本マイクロソフトの販売パートナーがサポートし、メディアワークス・ブルームの情報システム担当者を支援。操作方法がよく分からないなどの声に対応した。
導入して約1か月と稼働期間は短いが、竹田代表取締役の評価は高い。「事業のスピード向上に貢献している」と成果を述べる。現場担当者レベルでも、効果が出始めている。例えば、データファイルの共有。従来、複数の従業員が共有するデータは、社内からのアクセスに限定した共有フォルダで閲覧・編集していた。だが、「Office 365」の導入後は、「Microsoft SharePoint Online」と称する「Office 365」がもつサービスの一つを活用して、セキュアな通信環境で遠隔地から共有データにアクセスできるようになったという。大企業ではあたりまえかもしれないが、この仕組みを構築したことで、共有データを閲覧したり更新したりする作業のために、わざわざ帰社する必要がなくなったわけだ。その移動時間を削減できただけでも、効果は大きい。また、竹田代表取締役は「東日本大震災前に導入していれば、通勤が困難なスタッフが、自宅で効率よく仕事をこなすことにも貢献したはず」と、事業継続対策にも効果を期待している。
日本マイクロソフトは、「Office 365」のメインターゲットはSMBと、明確に位置づけている。Officeという企業の規模・業種を問わず、最も普及しているアプリケーションソフトのオンライン版を加え、価格を抑えたことにそれが読み取れる。日本マイクロソフトの組織も、「Office 365」の販売を担う部門を、今年度期首の7月1日からSMB向けの営業部門「SMB営業統括本部」内に配置している。
日本マイクロソフトは、大企業ではあたりまえの情報共有・コミュニケーションの仕組みを「Office 365」でSMB、とくに中小企業に浸透させようとしているわけだ。今回のメディアワークス・ブルームの事例は、日本マイクロソフトが想定したシナリオに合致するケースだろう。(木村剛士)
3つのpoint
・複数のアプリケーションをまとめて使える
・初期費用が不要など、コストが安価で済む
・インターネットを通じて、どこでも利用できる