産業見本市を企画・運営するリード エグジビション ジャパン(石積忠夫社長)は、10月24~26日の3日間、IT関連の専門展示会「Japan IT Week 2012秋」を、幕張メッセで開催する。3回目を迎えた今回は、380社が出展する見込みで、昨年よりも規模が大きくなって6展示会を同時に開くことになった。多くのイベントが縮小傾向にあるといわれるなか、規模が大きくなった「Japan IT Week 2012秋」の見どころについて島田周平事務局長に聞いた。(取材・文/佐相彰彦)
「DC」「ビッグデータ」を追加

島田周平
事務局長 「Japan IT Week」は、日本最大規模のIT専門展示会で、年間を通じて春と秋の2回にわたって開催されている。09年までは春の1回だけだったが、出展企業の多くから秋にも開催してほしいとの要望が出され、2010年からは秋開催を追加。昨年の「Japan IT Week 2011秋」は前年と比べて1.5倍の規模に膨れ上がったことを受けて、今年も開催することになった。
島田事務局長は、「決算が3月期の企業が多いので、春は年度初めということで方向性を打ち出してビジネスに結びつける場と捉え、秋は年度末に向けて案件獲得に落とし込む場という意味合いで出展している企業が多い」と、年2回を定例化した理由を説明する。
毎年、複数の展示会を同時に開催するのが「Japan IT Week」の特徴だが、3回目を迎える「2012秋」では昨年と同様に、クラウド関連の製品を披露する「クラウドコンピューティングEXPO」をはじめ、情報漏えい対策から認証取得支援サービスまでを網羅する「情報セキュリティEXPO」、スマートフォンやタブレット端末などを中心とした製品・サービスを揃える「スマートフォン&モバイルEXPO」、ウェブマーケティングのツールやサービスに焦点を当てる「Web&モバイルマーケティングEXPO」の四つを開催するほか、「2012春」に好評だった、データセンター関連の製品・サービスを展示する「データセンター構築運用展」を追加した。さらに、話題のビッグデータ関連の製品・サービスを具現化する「ビッグデータ&データマネジメント展」を新規に開催し、合わせて6種類の展示会を開くことになる。
ユーザー企業と密に商談する機会
リード エグジビション ジャパンは、「Japan IT Week」を開催する目的の一つとして、出展企業への商談の場を支援することを挙げており、ユーザー企業のニーズに合致する出展企業との商談を調整する制度「事前アポイントシステム」を設けている。この制度に加えて、春に引き続き「プロジェクト責任者ご招待」(150組限定)を実施。この企画は、基幹システムや顧客データベースの刷新など、「現時点で稼働している」「直近で稼働する予定」のシステム構築プロジェクトを任されたユーザー企業の担当者を招き、専門技術セミナーの無償参加や、会場に近いホテルの特別価格での提供などの特典を提供するというもの。出展企業が、招待されたプロジェクト担当者に対して商談できる場も設けている。
「Japan IT Week 2012秋」の開催まで残り1か月となった。リード エグジビション ジャパンは、380社の出展企業を見込んでいる。島田事務局長は、「先行きが読めない市況感が続いているが、『Japan IT Week 2012秋』を出展企業に商談の場として大いに活用していただき、IT業界の活性化につなげたい」と意気込んでいる。