産業見本市を企画・運営するリード エグジビション ジャパン(石積忠夫社長)は、5月9~11日の3日間、IT関連の専門展示会「Japan IT Week 2012春」を、東京ビッグサイトで開催する。今回は、ビッグサイト展示場の全スペースを使い、かつてない規模で“旬”のIT製品を一堂に集める。また、機器同士が無線で情報を交換し合う技術を紹介する「ワイヤレスM2M展」をプログラムに追加した。主催側の島田周平事務局長に、「Japan IT Week 2012春」の見どころを聞いた。(取材・文/ゼンフ ミシャ)
「Japan IT Week」は、日本最大のIT専門展示会。2012年・春の今回は、21回目を迎える「ソフトウェア開発環境展」をはじめ、定番の「組込みシステム開発技術展」や「情報セキュリティEXPO」、ユーザー企業でニーズが急拡大している「クラウドコンピューティングEXPO」や「スマートフォン&モバイルEXPO」など、全部で12の個別専門展示会で構成している。今回から、データセンター向けの省電力ソリューションなどを展示する「グリーンIT&省エネソリューションEXPO」の名称を変更し、「データセンター構築運用展」として開催する。
講演でM2Mの課題を解説
今回は、ITベンダーとユーザー企業の関心が高いということで、機器同士が無線で情報を交換し合う「M2M(Machine to Machine)」の技術/製品をアピールする「ワイヤレスM2M展」を初めて開催する。島田周平事務局長は、「日本初のワイヤレスM2Mに特化した専門展示で、M2Mシステムを構築するための無線通信技術やセンサ、アプリケーションなど、幅広いM2M関連製品が出展される」と内容を紹介しする。「ワイヤレスM2M展」は、M2Mの活用を考えているユーザー企業や地方自治体だけでなく、M2M事業への参入を検討するシステムインテグレータ(SIer)にとっても、有意義な情報を得ることができる場となりそうだ。
「Japan IT Week」は、展示会の開催と並行して、IT企業のキーパーソンや技術研究の第一人者などが注目度の高いテーマについて講演を行うセミナーを用意している。今回は、「ワイヤレスM2M展」の開催デビューに合わせて、NECや富士通など大手ITベンダーが加盟する新世代M2Mコンソーシアムの森川博之会長が「未来を支えるビッグデータとM2M」と題してM2Mへの期待と課題を解説する。このほかにも、「エンタープライズクラウドの真実」(Amazon Web Services)や「スマートフォンとクラウド活用で実現する『ワークスタイル革新』」(ソフトバンクテレコム)など、多数のテーマについてセミナーを開く。
SIerと一緒に展示会を回る
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島田周平 事務局長 |
リード エグジビション ジャパンは、ユーザー企業のニーズに適切な出展企業との商談を調整する事前アポイントメント制度に加え、初の試みとして「プロジェクト責任者 ご招待」(100組限定)を行った。この企画では、基幹システムの刷新や顧客データベースの構築といったプロジェクトの担当者を招待し、提案を受けることができる場づくりなどを支援する。さらに、専門技術セミナーを無償で提供したり、会場に近いホテルの宿泊費用を無料にするなど、さまざまな特典を用意する。
開催まで、1か月あまり──。リード エグジビション ジャパンは、1560社の出展企業と、ITユーザー企業の関係者など、およそ13万人の来場を見込んでいる。島田事務局長は、「ユーザー企業は、自社にぴったりのITソリューションをみつけるために、担当のSIerと一緒に展示会を回るのが効果的と思う。SIerがガイド役になってくれれば、最適な製品に出会う確率が高くなる」とヒントを与えてくれた。