その他
通信×SI×クラウドで新たなステージへ 「日本のIIJ」から「世界のIIJ」に向かう
2013/06/06 21:03
週刊BCN 2013年06月03日vol.1483掲載
商用インターネットの日本での先駆者といわれるインターネットイニシアティブ(IIJ)が、「通信」「システム構築(SI)」「クラウド」の三つの領域に力を注ぎ、海外での事業展開を本格化することによって、ビジネス成長の新たなステージに入ろうとしている。
同社は、今夏に予定する社長交代をはじめ、人員体制の増強や松江データセンター(DC)パークの設備の増設など、新生IIJづくりに向けた取り組みを相次いで実施している。今年5月には、シンガポールで開催された大型のクラウドイベント「Cloud Asia」に初出展するなど、アジアを中心とする海外市場の開拓にも着々と歩を進めている。
日本のインターネット事業者から、国内外でITを社会インフラとして提供するベンダーへの変貌を目指す──。ここにきて、新しい方針の輪郭を明らかにしてきている。7月に会長兼CEOに就任する予定の創業社長の鈴木幸一氏は、「ITが企業と社会の課題を解決して成長基盤となるクラウド/ビッグデータ時代こそが、IIJの出番」と捉えて、自社の大胆な変革に取り組んでいる。
まずは、個人・法人向けインターネット接続やWANサービスなど、本来の強みである通信系に加えて、SIとクラウドに力を入れる。システム構築/機器販売を手がける事業は、2013年3月期、前期比42%増の売上実績を残した。「IIJ GIO」ブランドで提供する法人向けクラウドサービスは、導入実績が順調に伸びている。今期、売り上げを現在の62億円から100億円超に引き上げることを目指す。こうして完成しつつある「通信×SI×クラウド」の事業構造を、社会インフラの案件を獲得するうえでの強力な武器にしていく。
これに加えて、海外展開を加速する。今年3月時点で社長への就任が内定した勝栄二郎氏(現特別顧問)は、官僚畑を歩んできた人物だ。しかし、政界で人脈を築いてきただけでなく、高校までドイツで過ごした勝氏は、海外でも豊富な人脈をもつ。直近でも、「国際関係」を最優先の行動領域としているという。これから先、どれくらい中国やASEAN諸国の市場に入り込んで、現地のパートナー/ユーザー企業を獲得することができるかが勝氏の腕のみせどころとなる。
ツートップ体制の役割分担は、鈴木会長兼CEOは引き続いて事業全体を統括し、技術開発分野を主管する。一方、勝社長兼COOは、事業拡大のための戦略を練って、対外交渉と事業執行を所管することが主な仕事となる。二人は、昔から仲がいいそうだ。今後、両氏がいかにうまく連携して、IIJがもつ技術の強みを生かすことが、成長路線に乗れるかどうかの決め手になる。(ゼンフ ミシャ)
商用インターネットの日本での先駆者といわれるインターネットイニシアティブ(IIJ)が、「通信」「システム構築(SI)」「クラウド」の三つの領域に力を注ぎ、海外での事業展開を本格化することによって、ビジネス成長の新たなステージに入ろうとしている。
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