T4Cが2010年に新規事業として立ち上げた、タレントマネジメントシステム「Rosic」の導入コンサルティングと販売事業。森谷さんは、マーケティングからプリセールス、営業、クロージングまで、セールス活動をほぼ一人で担当し、これまで16ユーザーを獲得するなど、大きな成果を上げてきた。入社以来、社内で挑戦を繰り返し、トライ&エラーを重ねてきたことが、その確かな基礎となっている。(構成/本多和幸 写真/大星直輝)
単なる人材派遣営業から脱却
「Rosic」事業の立ち上げにあたって、その商品力に惚れ込んでいたので、自ら手を挙げてセールスを担当することにした。私は、2002年、T4Cの創業とともに入社したが、2010年まではSAPソリューションの導入コンサルタント、SES(システムエンジニアリングサービス)営業に従事してきた。新規事業が成功するというイメージを最初からもつことができたのは、「Rosic」の商品力の高さもさることながら、そこで培ったスキルやノウハウに自信をもっていたことが大きい。
SAP関連のビジネスでも、基本的にはずっと新規の商品企画と販売を行ってきた。最初は、SES営業、つまり、「SAP ERP」などの元請けベンダーに、コンサルタントやSEを派遣する下請けの営業をやっていたが、正直いってこの仕事におもしろさを見出すのは難しかった。細切れで人材派遣をするような仕事がITソリューションの本質とはどうしても思えなかったのだ。そこで、ある程度まとまった仕事を任せてもらえるようなスキームをつくりたいと考えるようになった。
T4Cは幸いにして、SAPや大手のSIer、コンサルティング会社から、「SAP製品に精通していて、優秀なコンサルタントが揃っている」という高い評価をいただいていた。その資産を生かそうと構想していた頃、ある大手のSIerに行き当たった。
このSIerは、2000年代前半にSAPパートナーに参入。かなりの後発といっていい。そのため、SAPソリューションをエンドユーザーに売り込むときに、自社の特色をどのように出せばいいのか悩んでいた。そこで、管理会計やBIという、T4Cが得意な領域のノウハウを提供、戦略的な協業ができるのではないかと提案してみた。
SAPのユーザーは大企業が多い。そうすると、その導入を元請けで受注するのも、やはりそれなりに「名前が通った企業」であることが求められる場合が多い。T4Cは、技術力はもっているが、その意味での知名度はない。一方で、私のお客様だったそのSIerは、大手だけれども、SAPソリューションで特色を出せるノウハウがなかった。私は、「両社の強みをうまく融合させることができれば成果が必ず出る」と確信していた。結果として、私の提案は受け入れられ、大手ユーザーの獲得に成功。お互いのSAP関連ビジネスが成長するきっかけになった。
この協業をまとめる過程で、ITソリューション営業に大事なのは、自分たちの技術や商材をいかに売り込むかではなく、お客様とゴールを共有することなのだと学んだ。相手が困っていることに関して共通認識をもつことができれば、自分が何を提案すべきか、自然とみえてくる。この最初の成功体験が、私のキャリアの重要なマイルストーンになっている。
●日常使う営業ツール.......... メモは手書きに強いこだわりをもっている。書いたメモ用紙をスキャン、PDF化してタグ付けをした後、オンラインストレージアプリ「Evernote」に格納。いつでも即座に引き出せるようにしている。アナログとデジタルを融合して、メモを情報資産として活用している。
●上司からのひと言.......... 「森谷君のSAPビジネスでの商品企画、販売といったマルチな活躍を高く評価し、彼には、2010年以降、新規商材『Rosic人材マネジメントシステム』の事業立ち上げを担当してもらっている。持ち前の“熱い情熱”で関係者を巻き込み、セミナーや広報活動も率先して企画・実行し、確実に販売実績に結びつけている。当社の顔、Rosicの顔として、ますますの活躍を期待している」(日比野圭介・取締役マーケティング・セールスディビジョン担当)