人材総合サービスを提供するエン・ジャパン(鈴木孝二社長)は、Sansan(寺田親弘社長)が提供する名刺管理クラウドサービス「Sansan」を導入したことによって、名刺の組織的な管理と、営業の生産性の向上を実現した。導入の決め手になったのは、社員の名刺情報の入力を促進するためのサポートだ。これによって、営業担当が以前に増して名刺のデータ化に協力してくれるようになった。
ユーザー企業:エン・ジャパン
2000年1月に設立。従業員数は1181人(2013年6月末)。インターネットを活用した求人求職情報サービスのほか、社員研修などの教育サービス、適性診断テストなどの評価サービスを提供している。
製品提供会社:Sansan
製品名:Sansan
【課題】名刺情報をSFAに入力してくれない
人材総合サービスを手がけるエン・ジャパンにとって、顧客の情報が記載されている名刺は重要な資産だ。名刺は個人の所有物ではなく、会社の資産という考えにもとづいて、同社にいる数百人の営業担当には、入手した名刺をSFA(営業支援システム)に登録するというルールを設けている。そして、名刺情報をデータベースとして組織的に管理して、採用や教育事業でのダイレクトメール配信などに活用している。
しかし、管理本部情報システム部アプリケーショングループの才賀明マネージャーは、「実際には、営業担当は名刺情報をあまりSFAに登録しておらず、各自で管理していた」と語る。これは、名刺をデータベース化しなくても担当顧客のことは把握できる、名刺情報の入力作業に時間を取られたくないといった心理が営業担当者に働いたからだ。
そこで、エン・ジャパンは、営業担当者が蓄積してきた数万枚の名刺のデータ化をアウトソーシングした。しかし、それだけでは、新規の名刺登録には対応できず、役職変更や転職などで、データ化した名刺情報が古くなって使い物にならなくなることが懸念された。そのため、営業担当が気軽に名刺情報を入力できて、営業活動にも役立てることができる名刺管理サービスの導入を検討した。
導入の条件として、情報漏えいのリスクが少ないこと、データ化するまでの時間が短いこと、データの正確性が高いことなどを挙げた。選定時には3社を検討したが、唯一、条件を満たしていたSansanの名刺管理クラウドサービス「Sansan」の導入を決めた。

エン・ジャパンの才賀明マネージャー(左)と、Sansanの角南美琴氏【決断と解決】名刺をデータ化するメリットを教育
「Sansan」は、スキャナやスマートフォンを活用して、名刺をスキャンするだけで名刺情報をデータ化できるクラウドサービスだ。スキャンした情報は、専用の入力センターに転送され、入力オペレータがデータ化する。セキュリティ対策として、入力オペレータの入退室管理や、施設の自動施錠、メディアの持ち込みやプリントスクリーンの禁止など、情報漏えいを防ぐための万全の態勢を敷いている。名刺情報のデータ化のスピードも速く、他社がデータ化するまでに1週間程度を要するのに対して、「Sansan」は、1営業日内にデータ化できる。さらに、99%の正確性を保持しており、入力情報にバラつきがない。エン・ジャパンの提示した条件をすべてクリアしていた。
また、「Sansan」には最新の人事情報を外部から自動で収集する機能が搭載されていて、常に情報が更新される。過去の営業担当のコンタクト履歴を閲覧したり、登録している企業の最新ニュースを収集したりする機能も備わっているので、営業活動に活用できるという利点がある。
才賀マネージャーは、「何よりも、サポートが充実していたことが導入を後押しした」という。ただ単に、サービスを導入するだけでは、営業が名刺情報を登録してくれるようになるわけではない。
そこで、Sansanは、「情報システム部門の担当者に商品を説明するだけでなく、実際に名刺をスキャンする営業担当の人たちに対して、サービスを利用することのメリットを訴求する勉強会を頻繁に開催した」(Sansan事業部カスタマーサクセス部アソシエート運用コンサルタントの角南美琴氏)。これによって、以前は20%程度だった営業担当の名刺情報の入力率を80%までに高めることができた。「営業担当者からは、『Sansan』を活用することで、従前よりも顧客とのアポイントが取りやすくなったとか、案件の獲得に結びついたという声があり、生産性の向上に役立っている」(才賀マネージャー)という。
名刺の組織的な管理と、営業の生産性の向上を実現したエン・ジャパン。才賀マネージャーは、「今後は、現在80%の『Sansan』の活用度を100%にまで高めていきたい」と意欲をみせている。(真鍋武)
3つのpoint
・社員の活用を促進するサポート
・情報漏えい対策が万全
・営業の生産性を向上