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メーカーの意地か NECの挑戦 一点豪華主義では勝てぬジレンマ
2013/10/03 21:03
週刊BCN 2013年09月30日vol.1499掲載
NECがクラウドサービスで新しい挑戦を試みる。データセンター(DC)専用の省電力高集積サーバーを開発し、神奈川県内に新設する約3000ラック相当のDCでの稼働を予定している。NECのIaaS/PaaSサービスとしては最安値の月額6700円からを実現しようというものだ。神奈川新DCは2014年1月に竣工し、4月に「NEC Cloud IaaS」の名称でサービスの開始を目指す。
「スタンダード」メニューの稼働率目標は99.95%で、パブリッククラウドサービス世界最大手のAmazon Web Services(AWS)と同じ。価格やサービス品質でAWSを意識していることがうかがい知れる。NECはIaaS/PaaSサービスとして、すでに「RIACUBEシリーズ」を展開中だが、「今回のサービスは、従来サービスの価格を大きく下回るもの」(中江靖之執行役員)と胸を張る。 価格優位性の原動力になっているのが、NECがDC専用に開発した省電力高集積サーバーだ。スーパーコンピュータ技術を応用した超高密度実装と、NECが独自に開発した相変化冷却技術を組み合わせている。相変化冷却は、液体が気化するときに熱を奪う原理を活用したもので、従来の水冷式のように水を循環させるためのポンプなどの動力が不要。こうした取り組みによって消費電力を最大3割削減できる。メーカーとしての意地をみせる“NECの挑戦”だ。 しかし、世界のクラウドサービスを見渡すと、AmazonやGoogleを例に挙げるまでもなく、非メーカー系が常に市場をリードしてきた。もし、サーバーメーカーが有利なら、世界のクラウド市場はNECをはじめ、IBMやHP、DELLが席巻していたに違いない。現実はそうならなかったことを考えると、NECの挑戦は相当ハードルが高いことになる。 AmazonやGoogleのクラウドインフラは、世界中から最も安い部材を調達し、規模のメリットでライバルを蹴落としてきた。メーカー単体の自社製品は規模のメリットを発揮しにくく、これを補うべくNECは超高密度実装や相変化冷却を適用しようとしている。クラウドは、コモディティ化やグローバル化によって規模のメリットを追求することで競争力を発揮してきた。ある意味、パソコンやスマートフォンと同じで、コモディティ化やグローバル化に乗り遅れると非常に不利な競争を強いられる。 NECが今回の低価格サービスを打ち出した背景には、こうしたクラウドのコモディティ領域でも優位に立たなければ将来につながらないと踏んだからに違いない。NECは確かに世界に誇る技術力をもっているメーカーだが、あまりに尖った技術に頼りすぎて“一点豪華主義”に陥るきらいがある。メーカーとしての矜持を保ちつつ、コモディティ化やグローバル化を果たすことができれば、世界で再び存在感を高められるはずだ。(安藤章司)
NECがクラウドサービスで新しい挑戦を試みる。データセンター(DC)専用の省電力高集積サーバーを開発し、神奈川県内に新設する約3000ラック相当のDCでの稼働を予定している。NECのIaaS/PaaSサービスとしては最安値の月額6700円からを実現しようというものだ。神奈川新DCは2014年1月に竣工し、4月に「NEC Cloud IaaS」の名称でサービスの開始を目指す。
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