日本CA(ポール・フォルケンシュタイン社長)は、DCIM(Data CenterInfrastructure Management)ソリューションである「CA Data Center Infrastructure Management(CA DCIM)」を日本市場に投入した。CA DCIMは、フェイスブックがデータセンター(DC)に採用したことで一躍有名になった。黎明期にある日本のDCIM市場でも大型案件を獲得し、トップベンダーを目指す。

CAテクノロジーズ
ショーン・グラハム
バイス・プレジデント DCIMは、空調設備や電源まわりなどのファシリティを含むDC内のエネルギー消費とIT機器の統合的な管理をソフトウェアで実現し、DC運用の効率性とコストを最適化するソリューション。日本国内では、東日本大震災後の電気料金の値上がりなどを背景に需要が徐々に拡大しているが、シュナイダーエレクトリックや日本エマソン、ラリタン・ジャパンなど、電源管理ソリューションのグローバル大手ベンダーを中心に、これから市場を形成していく段階にある。
日本CAの親会社である米CAテクノロジーズのショーン・グラハム・インフラストラクチャ・マネジメントビジネス開発担当バイス・プレジデントは、「DCではITとファシリティを分割して最適化しているのが実情。それらを統合的に管理できるCA DCIMは、DCに関わる意思決定を容易にする。さらにCA DCIMは、電力削減効果だけで投資を回収できる。事実、フェイスブックは年間数百万ドル単位で省電力化に成功している」と、先進事例での導入効果をアピールする。

日本CA
古場達朗
シニア・ディレクタ また、競合との差異化ポイントについては、「多くのDCIMソリューションベンダーはファシリティ管理のバックグラウンドをもつが、CAはITベンダー。幅広いプロトコルに対応し、ハードに依存しないマルチベンダー対応を実現していて、ファシリティからIT機器まで、DC内のあらゆる機器をソフトウェアで一元的、リアルタイムに管理できる。これまでのCAの運用管理製品ラインアップから一つレイヤを広げ、物理的なインフラのレイヤに管理対象を広げた」と説明する。
日本での販売戦略としては、まずは、直販中心でDC専業事業者やDCを保有する大手SIerなどを攻める。そのうえで、そうしたユーザーに、CA DCIMを活用した顧客別のエネルギー管理や資産管理サービス、顧客のインフラ全体のリモート監視サービスなどを手がけてもらう「付加価値再販」につなげたい考えだ。日本CAの古場達朗・ソリューション技術部シニア・ディレクタは、「すでに何らかのDCIMソリューションを導入しているDCは多いが、包括的な管理ができていないのでチャンスは大きい。CA DCIMは他ベンダーのソリューションと柔軟に連携できるのも強み」と、市場開拓に自信をみせる。(本多和幸)

CA DCIMのUIイメージ