「Casita(カシータ)」ブランドなどで飲食店の企画や運営を手がけるサニーテーブル(高橋滋代表取締役)は、遠隔から社内システムに接続することができるツール「ISL Online」を導入した。販売は、海外ソフトウェア製品を国内で提供するオーシャンブリッジが行った。サニーテーブルは、ISL Onlineを活用し、メール送受信のトラブルやソフトウェアの技術サポートなど、いつでもどこからでも社員をサポートすることができる環境を整えている。
【今回の事例内容】
<導入企業>サニーテーブルレストランの企画・運営のほか、ウェディングの企画・運営などを手がける。1987年に設立。年商は16億円(2013年)、従業員数は約180人。東京・渋谷区に本社を置く。
<決断した人>プロジェクトマネージャ
伊東喜則 氏
一週間という短期間で導入を決めた
<課題>旧型の遠隔接続ツールではスマートフォンやタブレット端末からのアクセスができないだけでなく、ユーザーごとに有料IDが必要になっているため、コストが高かった
<対策>スマートフォン/タブレット端末からアクセスでき、かつ、1ライセンスの取得で“使い放題”で利用できる「ISL Online」を導入
<効果>コストを下げるとともに、業務効率を向上
<今回の事例から学ぶポイント>思い切って、システムを他社製品に置き換えることによって、コストや利便性に関しての改善を図ることが大切である
場所を問わずに社員をサポート
サニーテーブルは、青山や麻布十番、赤坂など、都内のグルメスポットで、イタリアンダイニングやバーラウンジなど、8店舗の飲食店を展開。外食業界は競争が激しいなかにあって、料理はもちろんのこと、きめ細かなおもてなしのサービスを武器にして、顧客を取り込んでいる。
同社で「一人情シス」として情報システムを担当するプロジェクトマネージャの伊東喜則氏は、「人と人とのつながりをいかに大切にできるかを常に考えることが私どものポリシー」と捉えて、店舗運営の後方で稼働し、従業員の業務を支えているシステムに関しても「つながり」を重要視しているそうだ。
サニーテーブルが2014年の夏に採用を決めたのは、オーシャンブリッジが販売している遠隔接続ツール「ISL Online」だ。リモートサポートや遠隔デモンストレーションといった機能を備え、場所を問わずに、社員に対してソフトウェアの操作を説明したり、デモを行ったりすることができる。サニーテーブルはもともと、他社の遠隔接続ツールを使っていたが、対応するのはパソコンだけで、スマートフォンやタブレット端末からのアクセスができないことがネックになっていた。
伊東プロジェクトマネージャは、置き換え用として、複数のベンダーの製品を調べ、利用を検討したが、ISL Onlineに着目したのは、オーシャンブリッジが配信しているメールマガジンがきっかけだった。
“使い放題”でコストメリット
「当社にぴったりじゃないか」──。朝、メルマガを開いたとき、伊東プロジェクトマネージャは瞬時に、そう思った。メルマガ本文で、オーシャンブリッジが訴求したのは、「同時接続ライセンス」によるコストメリットだ。この仕組みでは、1ライセンスを取得すれば、社内のユーザー数とは関係なく、ISL Onlineを使い放題で利用することができる。
伊東プロジェクトマネージャは、「当社には、遠隔操作の対象になる端末が約50台ある。古い製品では、ユーザーごとに有料IDを取得する必要があったので、費用が高くなることが課題だった」と振り返る。メルマガを読んだ日に、オーシャンブリッジに提案を依頼し、一週間ほどISL Onlineのテスト版を使ってみて、「デバイスに依存しないので便利」と判断し、導入を決めた。現在は、システム活用について社員にレクチャーするために、ほぼ毎日ISL Onlineを使っているといい、スマートフォンからもアクセスができるので、「どこにいてもサポートできるようになった」と笑顔を見せる。

都内数か所で「Casita」ブランドのイタリアンレストランを展開全セッションを暗号化
ISL Onlineの導入を決めるにあたって、もう一つ重視したのはセキュリティだ。実は、2012年、当時使っていた古い遠隔接続ツールのソースコード流出事件が発生したこともあって、「セキュリティ面での不安を覚えていた」(伊東プロジェクトマネージャ)という。ISL Onlineは、接続の全セッションを暗号化するほか、アクセス履歴の監視やアクセスロックといった機能を備えている。そのため、「信頼が置ける」と判断して、最終的にISL Onlineの採用を決断したという経緯がある。
「当社では、現場が円滑に業務をこなすことができるよう、ITを活用してサポートしている。ITの活用が直接、レストラン運営に関わるわけではないが、業務効率が向上するという意味では、IT活用も、最終的にお客様のためになる」と、伊東プロジェクトマネージャは語る。(ゼンフ ミシャ)