サーバーは、低価格化していて収益を確保できないといわれる。SIerの多くがビジネスの比重を下げているなか、あくまでもハードウェアの販売・サービスに特化して成功しているSIerがある。中古機器の販売業者でシステム開発のデータライブ(山田和人代表取締役)は、中古サーバーを販売しながらも、メーカー保証が終了したサーバーの延命サービスを提供。ここ数年、売上成長率30%前後の高い伸びを維持している。(佐相彰彦)

山田和人
代表取締役 データライブが得意とするサーバーの延命サポートは、中古品として仕入れたハードを生かしたパーツのリプレースだ。とくに、メーカー保証が終了したサーバーを対象としてサポートを提供している。山田代表取締役は、「ユーザー企業が導入しているシステムについて、なかにはコストをかけることができない場合もある。そのような状況から、システムを延命するためのサービスに需要があるはずと判断した」という。例えば、コンシューマ向けに提供したサービスが終了したけれども、会員を獲得しているためにシステムを停止することができないというケースがある。また、今年度は業績が厳しく社内システムのリプレースに投資できないけれども、メーカー保証が切れたサーバーがあって悩んでいるというユーザー企業もいる。このような問題を解決するためにサービスを提供している。実際、大手通信事業者を顧客として獲得した。
2003年設立のデータライブは、当初、受託開発をメインビジネスとして手がけていた。ただ、受託開発だけではビジネス拡大に限界を感じ、受託開発のノウハウを生かして中古のPCやサーバーを売買するECサイトを立ち上げた。受託開発と中古機器販売の両輪でビジネスを手がける基盤が整い、ユーザー企業を対象にシステム案件の獲得に力を入れていたところ、あるユーザー企業から、できるだけ低コストでリプレースしたいという要望が出てきた。中古機器でも対応しきれないほど予算が低かったため、受託開発と中古機器を生かして、メーカー保証が終了したサーバーを延命するというサービスを創出することになった。延命サービスを開始したことによって、売上成長率は平均30%の伸びで推移している。

TTCでは各メーカーのさまざまな中古サーバーをストックしており、保守・修理を行っている また、最近になって延命サービスの提供拡大に向けて、あるサーバーメーカーとアライアンスを組んだ。今では、ユーザー企業の多くが社内システムにさまざまなメーカーのサーバーを導入している。そこで、アライアンスを組んだサーバーメーカーは自社のサーバーに乗り換えさせることを狙いとして、メーカー保証の切れた他社のサーバーを延命させて、いずれは自社サーバーにリプレースするという策を講じた。その延命にデータライブが携わっているというわけだ。
今年4月には、中古サーバーやパーツなどをストックしていることに加えて機器の修理・検証などを実施する「データライブ東京テクノセンター(TTC)」を開設。山田代表取締役は、「当面は、これまでの売上成長率を維持していく」との方針を示している。