日本IBMは、IBMクラウドのパートナー施策「IBMクラウドパートナーリーグ」の参加パートナー数が倍増していることを明らかにした。パートナーリーグは、IBMクラウドの拡販に向けたパートナー施策として今年2月からスタート。立ち上げ当初は約10社だったが、直近では20社余りに増えた。当初はIT基盤のIBMクラウドへの移行を担うパートナーを中心に組織化していたが、5月末からは新たにアプリケーション層を担うパートナーの募集も本格的に始めるなど、拡充に力を入れている。(安藤章司)

大手SIerと直販部門との競合関係が課題


 IBMクラウドの間接販売の販路構築で中心的な役割を果たすのが「IBMクラウドパートナーリーグ」だ。同リーグでは、VMware上で稼働しているシステムをスムーズにIBMクラウドにリフトしてもらう通称「VMwareリーグ」を今年2月に立ち上げた。その3か月後の5月末には、IBMクラウドに対応した業務アプリケーションを提供する「ソリューションリーグ」のパートナー募集をスタートしている(図参照)。
 

 ソリューションリーグでは、中堅・中小企業向けのERPパッケージベンダーや、データ分析ソフト開発ベンダーなどが参加を表明。また、IBMサーバー製品の「Power Systems」向けのアプリケーションを開発しているベンダーが、Power系のオンプレミス(客先設置)のシステムとIBMクラウドを連携させる目的で、パートナーリーグに参加するケースも増えているという。

 
三浦美穂
執行役員
 IBMクラウドのパートナービジネスを担当する日本IBMの三浦美穂・執行役員パートナー事業・アライアンス事業統括本部長は、「VMwareをベースとしたITインフラ系のパートナーと、アプリケーション系のパートナーのマッチングを推進していく」と、リーグに参加するパートナー同士の相乗効果を推し進める。日本IBMは、情報交換の場を提供することで、リーグに参加するパートナー同士の化学反応によるクラウドビジネスの活性化を期待している。こうした取り組みにより、向こう数年で100社程度のリーグ参加社数を見込んでいる。

 一方で、リーグに参加しているベンダーの規模が全般的に小さいことが課題として挙げられる。パブリッククラウドで競合するアマゾンAWSのパートナーにはNTTデータをはじめ、TIS、野村総合研究所、伊藤忠テクノソリューションズといった大手SIerが数多く名を連ねる。だが、IBMのパートナーリーグの大手はインテックなど数社に限られるのが現状だ。日本IBMの直販部門と大手ベンダーが競合関係にあることが要因として考えられ、これがパートナービジネスの規模を拡大していく上での課題となる可能性がある。

 日本IBMでは、「規模に関係なくリーグに入ってもらいたい」と考えているものの、「大手SIerとは個別に組んでいく方策も検討する」(三浦執行役員)と、リーグの枠組みにとらわれず、柔軟に連携する方策を模索中だという。リーグでは中堅・中小ユーザー向けのビジネスマッチングを軸に、ビジネスを伸ばし、大手パートナーとは案件ベースの協業を推進していくことで、IBMクラウドのパートナービジネスを拡大させていく。