インフォテリア(平野洋一郎社長)は6月18日、2020年度(21年3月期)までの中期経営計画を発表した。売上収益を50億円、営業利益を10億円に引き上げ、海外売上比率は50%を目指す。今年で設立20年を迎えた同社。平野社長は、「新たな20年の第一歩となる中期経営計画だ」と意欲を示す。(真鍋 武)

平野洋一郎
社長
 実はインフォテリアは、16年度からの3か年の中期経営計画を実行している最中だった。この計画では、売上収益を15年度比で1.5倍の24億円、営業利益を同2倍の6億円に引き上げるとともに、「Triple Twenty」として、海外売上比率20%台、フロー売上率20%台、営業利益率20%台の達成を目標に掲げていた。これに対して、17年度の通期業績は、売上収益が31億1000万円で達成率129%、営業利益が5億7700万円で達成率96%。海外売上比率20%台、フロー売上率20%台も達成し、営業利益率も達成率93%と高い水準にある。「ほぼ(計画値を)達成しており、現実的ではない」(平野社長)ことから、最終年度を迎えたこのタイミングで異例の新計画策定に至った。

 前倒しで計画を推進できた背景には、事業構造の変化がある。とくに、17年4月に買収した英This Placeの影響が大きい。同社はデザインコンサルティングを手がけるIT企業で、16年度売上高は6億7500万円。これが加わることによって、インフォテリアの17年度のセグメント別売上収益では、This Placeのデザインサービスを含むサービス事業が前年度比549.2%と大きく拡大している。

 新たな中期経営計画では、「投資無くして成長無し」をテーマに掲げた。主力のデータ連携ソフト「ASTERIA WARP」およびコンテンツ管理サービス「Handbook」は、国内市場シェア1位を獲得している有力商材だが、平野社長は「世界的に競合と変化が激しい。今の製品、今の技術だけで事業を続けては、じり貧になって成長はあり得ない」と危機感を示し、「しっかりと先行投資をして、その先の未来につなげていきたい」と話した。具体的には、現在50億円規模である投資可能額を新中計の期間中に200億円に拡大。AI・ビッグデータ、IoT・スマートデバイス、ブロックチェーン、デジタル変革などを重点投資領域と位置づけ、日本だけでなく、北米や欧州、東南アジアなどで積極的なM&Aを進めていく。

 同時に、研究開発体制も強化する。これまではプロダクトベースの開発体制となっていたが、新たにAI/機械学習、デバイス連携、ブロックチェーンの活用ラボを立ち上げ、技術ベースのチームを新設する。これに加え、現在120人程度である従業員数も180人に増員していく。

 新中計の初年度となる18年度業績予想は、売上収益を36億円、営業利益を2億5000万円に設定。投資拡大を受けて、営業利益は前年度から57.7%の減益としている。

 また、インフォテリアは今年10月、社名を「アステリア(英文:ASTERIA Corporation)」に変更する。グローバル展開の強化にあたって、識別性が高い商号に変更することで、ブランドを確立しやすくする狙いだ。新中計では海外売上比率50%を目指すが、平野社長は、「(This Placeを含むサービスの規模が)このうちで一番大きくなる。ただし、ASTERIA、Handbookいずれも2ケタ成長させる」と意気込みを示した。