第三者保守サポートを手掛ける米国リミニストリートは、日本企業が米国企業に比べて125~150%多くの費用を、ERP(統合基幹業務システム)やデータベース(DB)などにかかる保守サポートに支払っていることを明かにした。

米国リミニストリート
セス・ラビン
CEO兼取締役会会長
 同社は、ユーザー企業が開発元パッケージソフトベンダーに支払っている保守サポート費の50%で、開発元のベンダーと同等かそれ以上の品質の保守サポートサービスの提供を売りにしている。全世界に1620社のユーザーを獲得しており、うち150社は日本国内のユーザーが占める。こうしたユーザーへの事前の聞き取りを踏まえて、日本のユーザーが米国より多くの保守サポート費を支払っている実態が浮き彫りになった。

 保守サポート費が高止まりしていることについて、同社のセス・ラビンCEO兼取締役会会長は、「ベンダーに対して厳しい価格交渉をすることで、関係をギクシャクさせることを嫌う“ベンダーハーモニー現象”が起きている」と、日本独特の商慣習があることを指摘する。

 その一方で、保守サポート費が高額となり、既存システムの維持費だけでIT予算の7~8割を費やしてしまう課題がある。とりわけ、海外企業と激しい競争を繰り広げるユーザー企業のなかには、ERPなどのバックエンドシステムではなく、「売り上げや利益に直結する戦略的なIT投資をより多く増やしたいと考える割合が高まっている」と、リミニストリート日本法人の脇阪順雄・日本支社長は話す。

 
日本リミニストリート
脇阪順雄
日本支社長
 また、SAPが現行製品の保守サポートの期限を2025年に区切り、新しいERPのS/4HANAへの移行を促していることも、「ベンダーの都合で強制的にバージョンアップさせられるのを避けるために、第三者保守サポートの採用機運の高まりにつながっている」(脇阪日本支社長)とみる。

 おもしろくないのは、SAPやオラクルといったベンダーで、特にオラクルとは「10年来、訴訟で争ってきた。米国で約40人体制の社内弁護士を抱え、国内でも有力弁護士と顧問契約を結んでいる」(ラビンCEO)と全面的に争っていく構え。それでも開発ベンダーによるサポートか、第三者サポートかの選択肢がほしいと考えるユーザー企業に支えられるかたちで、昨年度(2017年12月期)連結売上高は前年度比33%増の2億1260万ドル(約234億円)を達成。株式上場も果たした。

 こうした中、セールスフォースは、同社の公式な保守サポートメニューの一つにリミニストリートの割安なサービスを組み込むなど、リミニストリートを受け入れるベンダーも出てきている。ユーザー企業からの支持を追い風に、今後も割安な保守サポートサービスを展開していくことでビジネスを伸ばしていく方針だ。(安藤章司)