ERPやDB保守料の「割安」が決め手に

 ERPやデータベース(DB)の保守サービスを手がける日本リミニストリート(脇阪順雄・日本支社長)は、この2年で100社あまりの国内ユーザー企業からの受注を獲得した。SAPやオラクルEBSなどのERP(統合基幹業務システム)を使う大規模ユーザーを主なターゲットとし、開発元メーカーよりも割安な保守料金でERPの保守サービスを提供。2014年に日本市場へ本格進出した当初は、日本のユーザーがサードパーティ保守に馴じみがないこともあり、なかなかユーザー数が増えなかった経緯がある。だが、その後は認知度が高まるにつれてユーザー数を急速に伸ばしている。

 その背景には、メーカー保守の割高感が根強くあることと、基幹業務システムにかかるコストを抑制して、売り上げや利益を増やすSoE(価値創出型システム)領域へのIT投資を増やしたいと考えるユーザーが増えていることが挙げられる。
 
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脇阪順雄
日本支社長

 SAPジャパンに18年勤務し、ERPに詳しい日本リミニストリートの脇阪日本支社長は、「ユーザーのSoEへのニーズ増を踏まえて、ERPメーカー自身も、SoEをはじめとするデジタライゼーション領域への投資を増やしている。しかし、ユーザー側からみれば、従来型基幹システム(SoR)の保守料がなかなか下がらないことに不満をもつケースは多い」と指摘。保守費用を削減し、その分を主要ERPメーカーがこぞって開発に力を入れるSoE領域へ割り振りたいと考えるユーザーが増えていると分析している。

 また、比較的早い時期にERPを導入した日本のユーザーのなかには、その後の機能拡張をほとんどしていない、いわゆる「塩漬け」と呼ばれる状態になっているケースも垣間見られる。こうしたユーザーは、メーカー保守にあまり魅力を感じておらず、割安で一定の保守サービス品質が見込めるリミニストリートを選ぶ割合が高いという。SAPやオラクルEBSなどのメジャーなERPだけでなく、オラクルが買収してきたSiebelやPeopleSoft、JD EdwardsといったERP製品に対する保守サービスの引き合いも多い。

 今年6月にはDB2(IBM)やSQL Server(マイクロソフト)、旧Sybase系(SAP)をはじめ六つのDB製品にも保守サービスの対象を拡大。以前から対応しているオラクルDBなどに加えて、より幅広いDB保守ニーズを取り込んでいく。

 直近のユーザー数は100社余り。引き合いの強さから「ユーザー数ベースで毎年50%増、今のユーザー数の2~3倍までの受注は視野に入っている」と、脇阪日本支社長は手応えを感じている。金額ベースでも、米本国市場を除く世界市場で、「日本での新規契約額が一番大きい」と、存在感を高めている。

 販路については、直販主体の現行のスタイルで「当面は成長を維持できる」とみる。ERPの構築や保守を担当するSIerとは、「つかず離れず」の関係を維持。現状では「案件ごとに協業するケースが多い」と話している。(安藤章司)