【米ラスベガス発】米アマゾン ウェブ サービス(AWS、アンディ・ジャシーCEO)は11月26日から30日までの5日間、米ラスベガスで年次プライベートイベント「AWS re:Invent 2018」を開催した。エンジニアを中心に約5万人の参加者が世界中から集まり、例年このタイミングで発表されるAWSの新機能・サービスに関する情報の“洪水”に飛び込んだ。(取材・文/本多和幸)

アンディ・ジャシーCEO

主な新機能・サービスを振り返る
機械学習への注力が目立つ
独自のプロセッサー開発やハードウェア設置型のハイブリッドクラウド基盤も

 AWS re:Invent 2018で披露された膨大な数の新発表から、主なものをピックアップして紹介する(週刊BCN1754号、1755号で既報の内容を再編集した)。まず、ARMベースのプロセッサー「AWS Graviton」を独自開発し、これを搭載したスケールアウト型ワークロードのコストを従来比で45%削減できる「Amazon EC2 A1インスタンス」の提供を開始したと発表した(1754号で既報)。米アマゾンはイスラエルの半導体開発企業Annapurna Labsを2015年に買収し、この技術力を生かし、AWSのサービスの選択肢を広げるための開発をプロセッサーレベルで行ったかたちだ。

 機械学習については特に多くの新発表があり、メインイベントともいえるジャシーCEOの基調講演でも長い時間を割いて解説した。EC2インスタンスでGPUにより推論を高速化するサービス「Amazon Elastic Inference」、AWSによるカスタム設計の高性能機械学習推論チップ「AWS Inferentia」、機械学習のフルマネージドサービス「AWS SageMaker」では、機械学習の学習に必要なデータセットの効率的・高精度なラベリングを容易にする新機能「AWS SageMaker Ground Truth」も披露した。さらには、Amazon.comで使用している技術を外部解放するかたちで、パーソナライズされたレコメンデーションサービスを提供する「Amazon Personalize」も発表した。

 また、ハイブリッドクラウドの基盤となるサービスとして、ハードウェア設置型のクラウドサービス「AWS Outposts」を2019年後半にリリースすることも明らかにした。AWSのクラウドサービスで使っているハードウェアとクラウドサービスの機能をセットで提供する。各種ソフトウェアのインストールやハードウェアの保守はAWSが行う。サービスメニューとしては、「VMware Cloud on AWS」の機能を提供する「VMware Cloud for AWS Outposts」と、AWS自身のサービスを提供する「AWSネイティブバリアント」を用意する。AWSネイティブバリアントは、まずEC2とEC2向けデータストレージのEBSの提供を始め、随時サービスメニューを拡張していく計画だ。

 また、Windowsのファイルシステムとの互換性を備えた共有ファイルストレージ「Amazon FSx for Windows Server」も発表し、Windows環境のユーザーをAWS上に取り込む姿勢も鮮明にしている。
 

IoTの新たなパートナープログラムも発表
クラスメソッド、富士ソフト、オージス総研がAWS IoT Coreのサービスデリバリー認定を取得

 AWS re:Invent 2018では、IoTの領域で新しいパートナー認定制度をローンチすることも発表された。AWSはパートナー認定のプログラムとして、AWSを活用したニーズの高いソリューションを提供する能力を認定する「コンピテンシープログラム」、特定のAWSのサービスを活用する能力を認定する「サービスデリバリープログラム」、クラウドの運用能力を認定する「MSPプログラム」という三つのプログラムを用意している。今回は、サービスデリバリープログラムの対象サービスとして、IoTデバイスをクラウドに簡単かつ安全に接続するためのマネージドサービス「AWS IoT Core」、IoTデバイスのエッジコンピューティングをサポートする「AWS IoT Greengrass」、IoTで収集したデータの分析に関するマネージドサービス「AWS IoT Analytics」の三つのIoT関連サービスを追加したかたちだ。

 このうち、AWS IoT Coreの認定パートナーである「AWS IoT Core Partners」には、日本のパートナーとしてクラスメソッド、富士ソフト、オージス総研が名を連ねている。